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ジーンとくる話

【金魚鉢に金魚はNG!?】どの国も見習うべき?動物愛護精神に基づいた条例13

日本だけでなく、世界の多くの国々では動物はその種類にかかわらず、法律上は「物」として解釈されています。例えば、他人のペットを殺傷した場合、刑事責任として「器物損壊罪」が適用されることになります。しかし、決して物ではなくかけがえのない命ある生き物。動物愛護の観点から、動物に対する扱いを改善する試みが多くの国で見られています。動物を守るため、各国が打ち出した政策を紹介します。

1. オランダではパグのブリーディングは禁止

No comment. from r/likeus

オランダではパグをはじめ、ブルドッグ、チャウチャウ、シーズーなどの鼻の短い短頭犬のブリーディングが禁じられています。人間の嗜好により「鼻ペチャ」な外観を求め品種改良を重ねた結果、頭蓋骨、マズル(口吻)、鼻や喉の形が独特なため、呼吸がしづらく食事の際に困難を伴う傾向が見られるそうです。呼吸困難などの健康問題に苦しみ、短命な個体も珍しくはありません。近年、ブリーディングに警鐘を鳴らしたり規制する動きは各国で見られています。(参考: Süddeutsche Zeitung )

2. ニュージャージー州の街が外猫に課した厳しい規則

Bought my cat, Daisy, a pink bow collar so now she is the real life version of Marie from The Aristocats

米国ニュージャージー州クレススキルでは、猫が外に出かける際は鈴もしくは音の出るベルが3個着いた首輪を装着することが義務付けられています。ドライバーたちが外出中の猫に気が付きやすく交通事故に遭うリスクを減らすだけでなく、野鳥を猫から保護する目的もあります。こっそり忍び寄る猫ハンターの存在を、ベルや鈴の音が鳥に警告するという仕組みです。考えましたね!(参考: This is the Law )

3. ローマでは金魚鉢で金魚の飼育禁止

my often aloof goldfish little miss snooty

金魚といえば、金魚鉢。しかしイタリアの首都ローマでは金魚を金魚鉢で飼育することは条例によって厳しく禁じられています。「金魚鉢の丸い形状によって歪んだ景色に金魚が苦しめられるだけでなく、失明リスクがるから」と行政関係者は謎の主張していますが…実際のところフィルターのない金魚鉢は金魚にとって酸欠に陥りやすく悪環境なのでフィルター付きの水槽で飼育するように、という条例だそうです。(参考: ABC News )

4. オーストリアではニワトリのケージ内での飼育禁止

My chickens are gangster. yo.

オーストリアでは2020年1月から産卵鶏をケージ内で養鶏することが禁止されています。(参考: Kronen Zeitung )

5. ノルウェーでは雌猫の不妊手術禁止

Stray Cats in Love

ノルウェーでは猫の去勢手術は雄猫に限定されています。なぜなら雌猫の場合、子宮を取り除く不妊手術が及ぼしうる健康問題は雄猫の去勢手術に比べ遥かに深刻であるためです。(参考: Mattilsynet )

6. イタリアでは動物のサーカス出演禁止

Italy bans all circus animals – 8.11.17

イタリアでは動物を用いたサーカスの催しは2017年以降禁じられています。(参考: Stop Circus Suffering )

7. スウェーデンではペットの予防接種や、体調不良のペットに医療ケアを受けさせることは飼い主の義務

It’s going to hurt, isn’t it? from r/aww

スウェーデンでは、ペットに予防接種を定期的に受けさせなかったり、病気のペットを獣医にかからせない飼い主は高額の罰金に課せられるリスクがあります。(参考: Government Offices of Sweden )

8. スコティッシュ・フォールド発祥の地イギリスでは同品種のブリーディングが禁じられている

Scottish fold kittens breed is the cutest in the world !!!!!!!!

前に折れたような垂れ下がった耳が特徴のスコティッシュ・フォールド。その愛らしい姿から近年人気が高まっている比較的新しい(1994年に公認)品種の猫です。しかしこの折れ曲がった耳は実は軟骨の異常によって起きた「奇形」であり、折れ耳の特徴を品種改良を重ね追求したスコティッシュ・フォールドは遺伝性骨軟骨異形成により、ほぼ100%の確率で痛みを伴う症状が出ると言われています。イギリスの猫の品種登録団体GCCFは、遺伝疾患により猫に苦痛を与える品種の繁殖をすべきではないとの方針から、1970年代にこの種の登録を取りやめています。(参考: The Scotsman )

9. ポーランドでは犬を鎖に繋いだままにする飼育環境に対して規制が設けられている

If you leave your dog chained to a doghouse outside 24/7, you are an asshole.

庭の犬小屋の隣で鎖やリードに繋がれた犬。古典的な光景ですが、ポーランドでは犬を外に繋いで飼育することに規制を設けています。1日12時間以上、飼い犬を鎖に繋いだままにすることは禁止されているのです。(参考: World Animal Protection )

10. スイスではウサギ1匹に必要なスペースが条例で定められている

hey imgur. My rabbit of 8 years just passed away at 5:23. and I dont know what to do so I guess this is my way of coping.

スイスでは2008年からウサギ1匹が健康的な生活を送るために必要とするケージのサイズが明確に定められています(参考: Swiss Animal Protection )

11. 毎日運動が必要な大型犬のためのお散歩条例

Would you like to brighten the day of a local shelter dog with a walk?

イタリア北西部の都市トゥーリンでは、2005年から大型犬の飼い主には1日最低3回の散歩が義務付けられています。違反する飼い主には500ユーロ(2020年9月現在、約62000円)の罰金が課せられます。(参考: Environmental News Network )

12. マドリッドとカタルーニャ地方では野良猫・野良犬の殺処分を廃止

Shelter dog hugs her friend hours before euthanasia was set to occur and saves both of their lives

スペインの首都マドリッドとカタルーニャ地方では施設で野良猫や野良犬の殺処分が廃止されました。(参考: The Local )

13. オーストリアでは犬のリードを強く引っ張ると違法

Collar fit

オーストリアでは犬のリーシュやリードを引っ張る行為が犬の首に負担がかかり窒息させかねないとして禁ずることを発表しました。散歩中に犬を引っ張って首輪が首を圧迫するような行為は違法とみなされます。(参考: The Dog Newspaper )

動物愛護の観点から定められた様々な条例。少しずつ動物にとっても暮らしやすい世の中へと変わっていくといいですね。

動物愛護精神にまつわるエピソード記事はこちらからご覧いただけます ↓

プレビュー画像: © Reddit/gugulo