トリビア
【平昌五輪の裏で】同性パートナーにキスをしたアメリカの五輪代表選手。その後彼は多くの命を救っていた。
今年2月に開催された平昌オリンピック。日本勢が史上最多のメダルを獲得するなど、競技場の中でも外でも話題の多かった冬季大会でした。中でもオリンピックの生中継で「歴史的瞬間だ」と話題になったシーンがあります。
それはフリースタイルスキー男子スロープスタイルで、アメリカ代表のガス・ケンワージー選手が競技直前にパートナーで俳優のマシュー・ウィルカスさんを抱き寄せ、唇にキスをした瞬間です。ほんの一瞬でしたが男性の同性カップルがオリンピックでキスをするという歴史的瞬間を見た世界中の視聴者から感動の声が上がりました。
2014年のソチ五輪で銀メダルをとった時にはケンワージー選手はまだ同性愛者だという事は公表しておらず、その翌年スポーツ誌のインタビューをキッカケにカミングアウト。そして今回平昌でのキスが大きく報道されたのです。
しかし彼が今海外のネット上で話題になっている理由は「オリンピックでのキス」だけではありません。試合後にケンワージー選手とパートナーのウィルカスさんは平昌から遠く離れたソウル郊外にある1つの施設を訪れていました。そこで目にした光景に2人は思わず言葉を失います。
世界各地で動物愛護を支援するHumane Society International （HSI）の招待で2人が訪れたのは食肉用の犬の繁殖施設。そこで目にしたあまりに劣悪な状況に2人は言葉を失います。寒空の下、窮屈な檻に押し込まれ栄養失調のようにも見える犬たちは虐待されていると彼はInstagramの投稿で訴えています。さらに「犬食が韓国の文化だという意見は尊重しますし、西洋的考えを押し付けるつもりもありません。でも文化という名の下にこれらの生き物が非人道的な扱いを受け、虐待されるのを無視することもできません」とケンワージー選手は伝えています。そして彼はその後信じられない行動に出ました！
なんと今回訪問した施設で飼育されていた87匹をアメリカとカナダへ連れて帰り、里親を探すと発表したのです。その内の1匹で「ビーモ」と名付けられたこちらの仔犬はパートナーと2人で家族に迎え入れるそうです。
ただ単に韓国の文化である犬食を非難するのではなく、犬の命を助けるため自ら行動に出たケンワージー選手には脱帽です。きっとビーモは新しい家族と共に幸せな毎日を過ごせることでしょう。
