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アンビリーバボー

懲役10年。動物虐待に正義の判決

閲覧にご注意ください】この記事には不安や苦痛を感じる写真や記述が含まれています。

動物虐待に対する罰則は強化されていますが、通報されたり起訴されたりすることがあまりにも少ないのが現状です。もし近隣の人が不審に思ったとしても、たいていは口を出しません。なぜなら、動物虐待のほとんどが室内で行われるため、多くの人が確証を持てず、通報をためらってしまうのです。

しかし、時には誰もが目をそらすことができないほど残忍な行為をする人がいます。動物にとっては手遅れかもしれませんが、犯人が有罪になれば、少なくとも次の被害を防ぐことにつながります。

2017年10月、フロリダ州ハリウッドの街を歩いていたカップルは、道端に不審なスーツケースが放置されていることに気がつきます。近づいた二人は恐ろしいことに気づきました。小型犬の前足がスーツケースから垂れ下がり、中から拷問に苦しむような悲痛な鳴き声が聞こえてきたのです。

スーツケースを開けてみると、中には重傷を負ったピットブルの子犬が入っていました。2人はすぐに911に通報しました。

警察はすぐに子犬を近くの動物病院の救急治療室に連れて行きました。獣医師が見たものは無惨な犬の姿でした。ナイフで刺された傷が50箇所以上。まだ生きてはいるものの、大量の出血でほとんど息をしていません。

医師が子犬の命を救うために戦っている間に、警察はスーツケースの持ち主の探索にあたっていました。そして35歳のブレンダン・エヴァンスにたどり着いたのです。

警察が彼の家を捜索したところ、毛皮の切れ端、乾燥した血液、猫やネズミを切断した残骸が、オーブンや冷凍庫などアパートのいたるところで見つかります。この男はすでに何匹もの動物を殺害していたのです。

獣医が「オリー」と名付けたピットブルの子犬は、残念ながら助かりませんでした。発見から2日後、動物病院で亡くなりましたが、死の間際まで人間への信頼と愛情を示し、尻尾を振って反応していたと獣医は報告しています。

オリーを50回以上ナイフで刺し、生きたままスーツケースに詰め込んだ犯人として逮捕されたブレンダン・エヴァンスは、17件の動物虐待の罪で起訴され、刑務所に入っています。

当初は事件への関与を否定していたものの、オリーの事件の4年後となる2021年にようやく罪を認め、2021年11月に懲役10年の判決を受けました。

日本でも動物愛護管理法が2000年に施行され、動物虐待を罪に問えるようになっています。実際、虐待をした犯人の送検や逮捕、虐待を受けていた動物の保護に至ったケースも増えています。もし身近で動物虐待に気付いたときは、勇気を出して、警察や地域の動物愛護センターに情報を伝えてみてください。あなたの情報提供で救える命があるかもしれません。

出典:newsner

プレビュー画像:© Facebook/Gina Nicole Vlasek  © Facebook/Malevolent Society