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えらい

ドイツの宅配業者が幼稚園で火災を防ぎヒーローに

ドイツの宅配業者の評判は決して良いとは言えません。フェンス越しに荷物を投げるとか、ベルをまったく鳴らさずに不在票を置いていく、時には不在票を入れ忘れる…なんてことも日常茶飯事というから衝撃です。

しかし、時には宅配業者の評判が上がる事件もあります。

ドイツ最北部にあるシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の幼稚園に荷物を届けようとしたドイツ国際宅配業者DHLの配達人は、火災を未然に防いだうえに荷物を無事に届けたことで、多くの拍手と称賛を得ることになりました。

その日、配達人フラム氏が幼稚園のドアベルを鳴らすとドアは開けっぱなし。そして、上階から大きな警報音が聞こえてきたのです。

彼は迷わず階段を駆け上がり、幼稚園のキッチンがある2階に上りました。

そこには誰もいませんでしたが、コンロの火がついていました。しかも、調理台のカバーが折り畳まれたまま。

コンロの熱でカバーがくすぶり始めており、その煙で煙探知器が作動していたのです。このままでは、キッチンが火事になるのも時間の問題でしょう。

フラム氏は冷静に対応します。コンロの火を消し、熱くなったカバーを開け、煙探知器を止めます。そして、窓を開けて煙を外に逃がしました。

彼はその場を立ち去る前に、ここまで運んできた荷物をドアの前に置き、メモをドアに貼り付けました。

「こんにちは、ドアが開いており、煙探知器がなっていました。コンロの火を消して窓を開けました。荷物は玄関に置いています。よろしくお願いします。フラム」

この奇妙な状況には理由がありました。警報が鳴ったため、幼稚園の先生はまず子どもたちを裏口から安全な場所に連れ出していたのです。そして、消防署に連絡していました。

駆けつけた消防隊員はフラム氏のメモを見つけて驚きました。同じく、幼稚園の先生、子どもたちの保護者も宅配業者の機転と冷静な対応に感激。警察に連絡してフラム氏の居場所を突き止め、個人的にお礼を伝えたそうです。

その後、消防局がFacebookにメモが書かれた伝票の写真を投稿し、フラム氏を「ドイツのスーパーマン」と称賛したところ、多くの人がこの配達人の仕事ぶりを大絶賛。

ただ、ドイツの宅配業者の普段の悪評もあいまって、火災を未然に防いだことよりも、「そんな状況で荷物を無事に届けたなんて!」という驚きの声が多かった点には、きっとフラム氏も苦笑いしているのではないでしょうか。

出典:stern
プレビュー画像:© Twitter/Hardcormoran