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えらい

小さな女の子が助けを求めて叫んだ。近くにいた2人の少年がその理由を知ったとき、彼らはすぐに反応した。

人生には様々な出来事が起こり、それらすべてに備えておくというのは不可能に近いことです。危険な状況に陥ってしまったとき、瞬時に反応して迫りくる悲劇を回避することができるとしたら見事なものです。それが小学生の子供だったとしたらなおさらです。

アメリカ・ワシントン州のスプレイグという町に住むライト家には、デリシア、ブレンデン、オーウェンという3人の兄弟がいます。あるとき3人は家の近所の公園で、彼らのベビーシッターと一緒に遊んでいました。このときデリシアは8歳、ブレンデンは10歳、そしてオーウェンに至ってはわずか2歳弱で、まだベビーカーに座ったままでした。

Youtube/Inside Edition

このベビーシッターは家族ぐるみで付き合いのある人で、この日3人の子供たちを連れてこの小さな公園にやってきていました。彼らの住む町は規模も小さく、それほど危険もないだろうと考えたのでしょう。しかし、そんな彼らに一人の男性が近づいてきます。男は口髭とサングラスで顔が良く見えず、デリシアは子供ながらに違和感を感じたといいます。男性は子供たちと親しげに会話をはじめ、たそうですが、ブレンデンとデリシアは騙されませんでした。

Youtube/Inside Edition

「その人はこう言ったの。『僕は子供が大好きなんだ。ベビーシッターだってずっとやってきたんだよ』ってね。なんだか優しそうなしゃべり方だったけど、あまり優しい人って感じはしなかった」当時を思い出してデリシアは話します。この男性はデリシアたちにこう話した次の瞬間、なんとオーウェンを抱きかかえて走り出したのです。

Youtube/Inside Edition

デリシアとブレンデンは驚きましたが、2人は素晴らしい反応を見せます。デリシアは自分の足が続く限り全速力で男性の後を追いかけながら、助けを呼ぼうと必死に叫び続けたのです。

Youtube/Inside Edition

ブレンデンもデリシアの後を追いかけていきました。やがてデリシアの叫び声を聞きつけたアイザック・ヨーとアンドリュー・クレーンもこの追跡に加わります。

誘拐犯は自分が少年たちに追いかけられていることに気づくと、あきらめたのかオーウェンを道に座らせてそのまま一人で逃げていきました。幸いなことに、オーウェンに怪我などはなかったそうです。

この追走劇を近くの食料品店に設置された監視カメラが捉えていました。兄弟の父親のマイケル・ライトは、自分の息子と娘からこの話を聞いたとき、心から彼らを誇りに思ったそうです。

マイケルはまた、彼らに何も被害がなかったことは幸運だったと考えており、こう言っています。「一番大切なのは、家族が皆無事だったということです。私の大切な2人のヒーローと近くに少年2人がいなければ、私はもう末っ子と二度と会うことができなかったかもしれません」

Youtube/Inside Edition

警察はアイザックとアンドリューとも確認を進め、やがて誘拐犯を特定することに成功しました。驚くべきことに誘拐犯は何と近所に住む15歳の男の子で、ニセモノの口髭とサングラスで変装していたのだそうです。この事実は警察と家族に衝撃を与えることになりましたが、さらにショッキングだったのはこの男の子が子供をさらおうとしたのがこれが初めてではないという事実でした。この少年は裁判の結果有罪となり、少年更生施設に1年間入所されることが決まったそうです。犯人が(少なくとも当分はですが)これ以上他の子供たちに迷惑をかけることがなくなったということを知り、ライト一家は安堵と喜びを感じたと言います。

追走を捉えた監視カメラの映像は、こちらの動画で確認することができます(英語のみ)。

こんなに立派な兄弟たちに見守られて、オーウェンは幸せですね。勇敢な子どもたちに拍手!