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トリビア

【水に浮かぶ教会&宮殿】水没した建物が再び水の上に姿を現す

海に沈んだ伝説の大陸「アトランティス」。これまで数多くの探検家がこの海底に眠ると言われる古代文明アトランティスの謎を追い求めてきました。人々の冒険心を掻き立てる海底に沈んだ遺跡や歴史ある古い街並み。実はこうした水没した建造物は世界各地に存在するのです。洪水などの天災により、あるいは人為的に水中に沈み、かつての繁栄を物語る建物をご覧ください。

1. ポトシ教会、ベネズエラ

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1985年に建設された水力発電ダムにより、水の底に沈んだベネズエラ北部の小さな町ポトシ。住民約1200名は立ち退きを余儀なくされました。

それから約30年後、干ばつによる水不足のため水位が下がり、ダムの底に沈んだ町が姿を現しました。気象学者によるとエルニーニョ現象の影響だそうです。2008年に教会の塔が出現(写真左)、2010年にはさらに干ばつが進み教会全体が姿を現しました(写真右)。国内の総電力消費量を主に水力発電で賄っているベネズエラでは、この教会は深刻な電力不足の象徴となっているそうです。

2. マブロボ湖の聖ニコラス教会、マケドニア

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1850年にマケドニアのマブロボに建設された聖ニコラス教会は行政の人造湖建設により「マブロボ湖」の底に沈みました。

しかし近年、気象変動により湖の水位が下がり、夏季限定で教会が湖面から姿を現すように。特に干ばつの激しい時期は教会に歩いて行くこともできるそうです。

3. ヴィラ・エペクエン、アルゼンチン

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アルゼンチン南東ブエノスアイレス州のエペクエン湖畔の観光地としてかつて栄えた町ヴィラ・エペクエン。1920年代に塩湖エペクエン湖の塩水に治癒効果があると注目されて以来、リゾート地として50年間繁しました。しかし気候変動による豪雨が続き、1985年11月湖水の堤防が決壊。町は水没し、その後も再建されることはありませんでした。

その後も水位は上昇し続け、ピーク時の1993年には水深10メートルの水底に町は沈んでいました。その後、干ばつにより徐々に水位が下がり、2009年には水没していた町が再び姿を現しました。

4. ジャルマハル、インド

 
 
 
 
 
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インド北部の都市ジャイプール近郊に位置するジャルマハル湖に浮かぶ「水の宮殿」ジャルマハル。約300年前にマハラジャの夏の宮殿として人工湖の中に建設されたそうです。

雨季には湖に浮かぶ美しく幻想的な宮殿の姿を目にすることができます。一方、乾季は水が完全に引き、宮殿全体が現れます。ちなみに宮殿の美しい建築を保護するため、宮殿内部は立ち入り禁止です。

6. Green  Lake(緑の湖)、オーストリア

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オーストリアの都市シュタイアー北部の山岳部には、季節限定で出現するエメラルドグリーンの美しい湖があります。春の終わりから初夏にかけ、アルプスの雪解け水が渓谷に流れ込み「緑の湖」の名にふさわしいエメラルド色に輝く湖が完成するのです。アルプスの澄んだ雪止め水が作り上げた湖の透明度は極めて高く、まさにクリスタルクリア。期間限定のユニークなダイビングスポットとして知られ、水深が最大の10m程度になる6月ごろには世界各国から多くのダイバーが訪れます。また、秋には水はほとんど干上がり、水が残った場所でもせいぜい水深1、2メートルだそうです。

なんともミステリアスで美しい光景ですね。いつかは訪れてみたいものです。

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