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死にゆく少女は、最後のクリスマスを夫と共に過ごしたかった。しかしその数時間前、彼女は悲しい知らせを受け取る。

これはダルトンとケイティの甘くて切ないラブストーリーです。2009年、Facebookを通じて知り合い意気投合した2人は、初めて直接顔を合わせてから数年後、これ以上時間を無駄にするのが惜しいというかのように20歳の若さで結婚しました。

結婚後の生活はこの上なく美しいものでしたが、ともに重い病気と闘っていました。ケイティとダルトンは嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)という、特に肺の機能に支障をもたらす遺伝性の病気を抱えていました。しかし同じ病気と闘っているということが2人をより近い存在にしていました。たった1つだけ2人を困らせていること、それは互いに家族の介護なしでは暮らせないため一緒に暮らすことができないということでした。2人は別々の州に離れて暮しながらビデオでチャットを通じてコミュニケーションを取っていましたが、離れて暮らすのはとても辛いことでした。

また、2人とも肺の移植を必要としており、移植受給者リストに名を連ねていましたが、ケイティは自分よりも容態の悪い愛するダルトンが移植リストの上位に上がるよう、自分の名前を移植リストから削除したのです。

Youtube/Video News

ケイティの自己犠牲は実を結び、ダルトンは2014年に、ケイティは2015年に新しい肺の移植手術を受けました。

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しかし手術から間もなくしてダルトンはリンパ腺に問題を抱えるようになり、深刻な肺のウイルス感染症を起こしてしまいました。自分にもう残り時間があまり残されていないことを悟ったダルトンの望みはただ一つ、最後にもう一度だけ妻に会いたいということでした。しかし彼が感染しているウイルスは非常に感染力が強く、嚢胞性線維症の患者にとってはかなり危険だったため、医師から許可が降りることはありませんでした。ダルトンは医師たちの判断に納得します。妻を危険にさらすようなことはできるわけがなかったのです。

しかしケイティはそんなリスクを顧みようとせず、長く悲しい人生よりも短くても幸せに生きることを選んだのです。ケイティはダルトンを自身の住むケンタッキー州に招きました。

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心から愛しているわ、ダルトン。壁にぶち当たっても私たちなら乗り越えられる。あなたの妻、ケイティより

その頃は、ケイティの容態も再び悪い方へ向っていました。体が移植された肺に拒絶反応を示していたのです。医師たちはもはや次の打つ手が考えられないと、家族に最悪の状況に備えるようにと告げました。12月まで生きられるか、それさえも定かではありませんでした。しかし最後のクリスマスを一緒に祝いたいというダルトンとケイティの願いを叶えようと、お互いの家族はクリスマス休暇を数ヶ月繰り上げることにしました。2016年はクリスマスを9月に祝うために、両家は準備を整え、ダルトンも旅の支度を始めました。

旅行カバンにはしっかり荷物が詰め込まれ出発するのみでしたが、ダルトンは残念なことに、妻の元を訪れることができませんでした。9月17日の午後、病気による合併症でダルトンはこの世を去ったのです。

ケイティは夫を最後にその腕に抱くことはできませんでしたが、彼の最期の時までビデオチャットを通じて夫を見守りつづけました。ダルトンの声を聞き、彼をどれほど愛しているかを伝えました。

Youtube/VIRAL VIDIOS

家族や友人と9月にダルトンのいないクリスマスを祝ったケイティは、こう言ったそうです。

「もうすぐ彼に会える」

ダルトンの死からわずか5日後、ケイティは彼を追うようにこの世を去りました。

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この死を免れられない病気を患った愛し合う2人の若者の物語は、映画化もされた2012年のジョン・グリーンによるベストセラー小説『さよならを待つふたりのために(”The Fault in Our Stars”)』を彷彿とさせます。小説の中の主人公ヘイゼルとオーガスタスのように、ケイティとダルトンはお互いを見つけ、愛し合い、そしてあまりにも短すぎる生涯を閉じました。

20歳という若い年齢で、人生で最も純粋なもののひとつ、本当の愛を見つけたこの2人の物語を悲しいと捉えるか幸福だと捉えるかは難しいところです。しかし2人は再びどこかで出会い、今度はきっと一緒に暮らせていることでしょう。