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【こんなモノまで!?】ある悲しい目的のためにこの自販機は作られた。売られているものを見て言葉を失った。

日本の町のありとあらゆる場所に設置してあり、今や我々の生活に欠かせない存在となった自動販売機。各国別で自動販売機総数を比較すると、絶対数ではアメリカ合衆国に劣るものの、人口や国土の広さを勘案した普及率を見ると日本が堂々の世界一です!そのラインナップも飲み物だけではなく、缶のスープや食べ物、はたまた牡蠣の自販機まであり個性に富んでいます。

しかし日本にはまだ存在しないある自動販売機がアメリカで波紋を呼んでいます。それは2017年4月にラスベガスに設置されたアメリカにたった3台しか存在しない自販機で、南ネバダ保健所の主導で開発が行われました。その自販機がこちら…

Youtube/ Las Vegas Review-Journal

外にはグラフィティーをモチーフにした絵が描かれ、紫を基調としたその自動販売機の中には小型のノートパソコン程の大きさの箱が陳列しています。

Youtube/ Las Vegas Review-Journal

中をのぞいて見ると一つ一つの箱の表面には、「Impact Exchange」(交換・取り替えに影響を)とこちらもグラフィティー風の字体で書かれています。中身が気になりますが、一体この自販機で何を買えるのでしょうか?

Insulin Syringe

これは注射器の自動販売機なのです。とは言ってもお医者さん様の注射器を販売しているわけではありません。実はこの自動販売機が開発された裏にはラスベガスが直面する深刻な社会問題が存在しました。ラスベガスは暴力事件の発生率が全米の平均値より120%も高く、2012年には失業率が全米ワースト1位でした。さらに問題となっているのが増え続ける薬物中毒者の数です。

Sin City

注射器を使って薬物を体内に注入する際、HIVに感染する中毒者の数も年々増加の一途を辿っています。ラスベガス市では新たにHIVに感染した人の10人に1人が注射器による麻薬の打ち回しによるものとするデータも存在し、こういった状況に終止符を打つべく開発されたのがこの「注射器自動販売機」です。新品の清潔な注射器を薬物中毒者に提供することで、HIVやC型肝炎の拡大を抑えることを主な目的としています。

Addict sitting on the railroad tracks

ラスベガスに3台設置されているこの自販機から出てくる箱の中には、注射器の他にも傷口の消毒キットや避妊具などが同梱されています。ちなみにこちらの自販機、お金を入れても何も出てきません。利用できるのは市の保健所で登録を済ませ、専用のカードとIDナンバーを所持している人だけで、1週間の間に無償で注射キットを1人2つまで取り出す事ができます。

Youtube/ Las Vegas Review-Journal

注射器の自動販売機とだけ聞くと驚かされますが、ラスベガス市の斬新な試みは評価に値します。この自販機が感染抑制につながるといいですね。下の動画から開発者のインタビューおよび自動販売機のデモンストレーション(英語)をご覧いただけます。