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ジーンとくる話

動物園でホッキョクグマを見た写真家は呆れてカメラのシャッターを切った。その写真に世界中の動物愛護運動家が戦慄。

自然界では、本来ホッキョクグマは氷点下を大きく下回る生息地に住んでいます。北極海の氷の浮かぶ冷たい水温にも完全に対応できる暑い毛皮と脂肪に覆われ、雪の中で快適に生活することができるのです。

 

そんな背景もあり、動物園での生活を余儀なくされているホッキョクグマにとって身体的に対応不可な高温にさらされる夏は難しい季節です。

ハンガリーの首都ブダペストではこの夏に43度を記録しました。人間にも厳しい暑さですが、市内の動物園のホッキョクグマには到底耐え難いものでした。動物園の飼育係は猛暑に苦しむホッキョクグマが少しでも暑さを凌ぐことができればと、特大の氷のブロックを差し入れしています。

写真家のミゲル・モレナッティは、激しい暑さの下で氷の塊に体を擦り寄せるホッキョクグマの写真を撮影しました。ミゲルはこの酷暑はホッキョクグマにとって「残酷」な条件であり、動物園での暮らしは「地獄」だと表現しています。

氷のおかげで多少なりとも涼を味わうことができたようです。(ハンガリー語音声のみ)

動物園運営側なりに猛暑に喘ぐホッキョクグマの身体的負担を少しでも和らげたいとの気配りが伝わりますね。毎年のように猛暑が続く日本の動物園でもホッキョクグマに氷がプレゼントされ、気持ちよさそうに氷と戯れる姿は微笑ましいものです。実際にニュース番組でも動物園の夏のイベントニュースとして好意的に報道されています。

その一方で、本来ならば大自然の中で生息すべき野生動物を動物園の檻の中に閉じ込めて飼育することに対して批判があることも事実です。特に動物愛護運動がより盛んな欧米では、日本では動物園の粋な計らいとして好意的に受け止められがちなこうした対応に対しても様々な反応があるようです。