チェルノブイリ原発事故から30数年、制限区域の森は動物の楽園になっていた。

セルゲイ・ガシュチャク博士は、ウクライナの放射線生態学の権威です。ガシュチャク博士は長年、1986年に発生したチェルノブイリ原発事故現場周辺の制限区域の動物相の研究に携わってきました。

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大惨事から20年以上経過した今も、発電所から半径およそ30km圏内は現在も立ち入り制限区域に指定されており、人は住めない場所となっています。しかし驚くべきことに、事故後、制限区域内は野生動物の楽園になっていたのです。

 

ガシュチャク博士は制限区域内における生態系への放射能の影響や、移り変わりの調査の一環としてカメラを設置し野生動物を観察しています。

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事故直後、放射線が大量に降り注いでいた汚染区域に住んでいた動物はすべて死に絶えました。しかし外部にいた動物達がその後この空白地帯に入り、住み着き、時間をかけて繁殖していったのです。今では、人間が住んでいた頃より生物多様性が増しています。

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鳥類には未だに奇形などがみられるものの、哺乳類は健康的に繁殖しています。

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放射線があるものの、他の動物との競争がない場所は多くの動物たちにとっては安住の地であったのです。

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制限区域内では、絶滅危機に瀕している種も確認されています。

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ナベコウと呼ばれる黒いコウノトリ科の鳥は、ウクライナではこの地域でのみ生息が確認されています。

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こちらは、日光浴を楽しむアシナガワシです。

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子を連れたオオヤマネコ。

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そして100年以上目撃されていなかったというクマも、戻ってきました。

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モウコノウマの群れ。

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夜間は赤外線カメラを使用します。

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ヘラジカを狙うオオカミ。

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こちらのヘラジカはカメラの存在に気づいたようです。

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動物たちが放射能と共存できているには、微量の放射線を浴び続ける過程で、体内で発生する有害なフリーラジカルをコントロールする遺伝子に変化が起こったためと考えられています。また、事故後の人間の不在が、大きな要因であることも指摘されています。人間の干渉を逃れたことで、動物も植物も土地も自然の法則に従って発展していったということです。

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制限区域内には、草食動物が増えるにつれ、肉食動物も増えつつあり、自然なバランスの取れた状態にあるとガシュチャク博士はいいます。植物、草食動物、肉食動物がそれぞれに適切な数を保ち、バランス良く暮らしているのです。

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チェルノブイリ周辺の自然は驚く形で本来の姿を取り戻しています。しかし近年、制限区域の一部を排出された核廃棄物の処理や埋蔵に活用しようという動きもあるようです。これを受け、世界各地から制限区域一体の自然保護区としての指定を求める運動が盛り上がりつつあります。

ガシュチャク博士のカメラが捉えた動物たちは、こちらの動画でもご覧頂けます。(ロシア語音声のみ)

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