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ジーンとくる話

リハビリ施設で暮らすこの猫は、ある老人のベッドに飛び乗った。2時間後、駆けつけたスタッフは絶句した。

米・ロードアイランド州最大の都市プロビデンス。この街の老人養護・リハビリ施設The Steere House Nursing and Rehabilitation Centerには1匹の三毛猫が暮らしています。2005年に生まれたこの雄猫の名はオスカー。元々は殺処分されるはずだったところをペットセラピーを目的に、この老人養護施設に引き取られました。

それ以来、施設の3階にあるアルツハイマー病やパーキンソン病を持つ患者さんたちが暮らす棟で育てられたオスカー。その愛くるしい姿から、入居者はもちろん、スタッフからも愛される施設のマスコットのような存在になります。しかし、いつからかスタッフたちはオスカーのある不可思議な行動に気づきます。

オスカーが施設にやって来てから、ちょうど6ヶ月が過ぎた頃、オスカーはまるで医師や看護師がするかのように、患者さんの部屋を巡回するようになっていたのです。入居者の部屋に入ると、オスカーはまずその人の匂いを嗅ぎ、それから決まった入居者のベッドの上で、まるで添い寝するかのように丸くなりました。しかし、その様子を目撃したスタッフが本当に驚いたのは、ここからでした。

なんとオスカーが添い寝した老人は、その2~3時間後に息を引き取ったのです!その数は1人や2人ではなく、オスカーは2005年から2010年までの間に、なんと50人もの患者の死期を正確に予測してみせました。それ以来、オスカーは死期が迫った患者を察してその側で患者の死を看取る「死の天使」と呼ばれるようになったのです。

このオスカーの変わった能力を裏付けるエピソードが存在します。それは、オスカーがある老女の部屋を訪れたときのこと。老女の部屋でオスカーが、「死を予期する仕草」を見せたのを確認した施設スタッフ。これまでの経験から、老女の死が近いかもしれないと機転を利かせて急いで家族に連絡したそうです。

するとその1時間半後、老女は安らかに眠りについたのです。オスカーの予知能力のお陰で、家族は老女に最後のお別れを告げることができたのです。ほとんどの場合、入居者の家族や友人はオスカーが患者の最期を看取ってくれることを快く思ってくれているそうで、ときには新聞の死亡広告などでオスカーに感謝の言葉を送ってくれる家族もいるほどだとか。

オスカーは死期が近い人の体臭の変化を嗅ぎとっているのではないか、という仮説も立てられましたが、詳しいところは今のところまだハッキリしていません。いずれにせよ、セラピー猫としてオスカーが施設にいることで、多くの人の心が和んでいることは確かであるといえるでしょう。