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内出血を起こした男性に、看護師はタバコを握らせ写真を撮った。

カールステン・フレミング・ハンセンがデンマーク第二の都市オーフスの大学病院に入院した際、もう先が長くないことはカールステン自身にも分かっていました。腹部の動脈内に発生した動脈瘤は破裂し、手術に耐えうる状態ではありませんでした。もって数日、もしかしたらわずか数時間の余命であると医師は宣告しました。

カールステンは運命を受け入れ、人生で最後のリクエストをしました。一本のタバコとワインを一杯、息をひきとる前に楽しみたかったのです。通常、病院内での喫煙は厳しく禁じられていますが、患者の最後の望みを叶えるため看護師はなんとか抜け道を探りました。

看護師たちはカールステンのキャスター付きベッドをベランダまで移動させるとタバコとグラスワインを渡しました。最後の一服を楽しめるよう、カールステンのお気に入りの銘柄のタバコを準備するなど、看護師たちは細部まで気配りを忘れませんでした。 おかげでカールステンは家族とともに、街並みを展望するベランダで美しい夕日を眺めながら人生最後の一本を存分に満喫することができました。

2017年4月上旬、カールステンは愛する家族が見守る中、亡くなりました。

人が人生の終わりを迎える際、新たな治療法で延命の道を探ったり或いは病院の規則に従ってのみ行動する以上に、例えばいかに本人の心に寄り添えるかなどの、心ある対応がより重要となるのでしょう。臨終の患者が最後のひとときをお気に入りの嗜好品とともに楽しむことができたことは実に意義のあることです。死を迎える男性の望みを叶えたこの病院スタッフたちの心配りは実に見事ですね。