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「この病気のこと、知ってください」ハーレクイン魚鱗癬を抱える娘を懸命に育てる母

ニューヨークに住む26歳のジェニーの娘のアンナちゃんは、生後すぐに非常に稀な遺伝的疾患「ハーレクイン魚鱗癬(ぎょりんせん)」を患っていることが分かりました。表皮の角質層に障害があるため、空気にさらされると皮膚がみるみる乾き、裂けて深い亀裂ができてしまうという難病です。出生数50万人に1人に発症すると言われています。

注:この記事には遺伝性皮膚疾患の症状の写真が掲載されています。

ハーレクイン魚鱗癬の子どもは、かつては呼吸不全や敗血症により新生児期を生き延びることは非常に稀でした。しかし、医療の発達により、この疾患を抱える人が小児期や青年期まで生きられる可能性は高くなっています。

 
 
 
 
 
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ジェニーは、産後すぐに、娘の余命は長くないと医師に告げられました。しかし、あきらめませんでした。アンナちゃんもあきらめませんでした。

母ジェニーは、娘の闘病ストーリーをFacebookInstagramで紹介し、同じ疾患を持つ人々を励ましています。SNSへの発信は、この病気について人々に知ってもらうためでもあります。

アンナちゃんが生まれた時のことを綴ったジェニーの手記をご紹介しましょう。

 
 
 
 
 
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「妊娠中は34週目に羊膜嚢が破裂するまで、まったく問題はありませんでした。破水後も数値は良好でしたが、逆子だったため帝王切開しました。分娩中も終始穏やかでした。医師がアンナを取り出すと、アンナの泣き声が聞こえてきて、とても可愛い娘さんだよと言われました。でも突然、カーテンの向こうで娘を診察する医師の様子が変わったのです。

 
 
 
 
 
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ハーレクイン魚鱗癬は、医療関係者にもほとんど知られていない稀な病気です。医師たちが見ている間に娘の皮膚はみるみる乾燥し、石化してひび割れ、全身に深い傷が刻まれました。必死に娘を助けようとする医師たちの緊張を感じながら、『大丈夫ですか?』と聞くと、『はい』と言われ、私は鎮静剤の投与を受けました。その後、私は意識を失いました。

その後、医師たちは夫に、娘のアンナが病気にかかっているが、それがどのような病気なのかはまだわからないと話したそうです。医師たちは、夫にアンナを抱かせ、その美しい瞳を数秒間見つめさせてくれたそうです。

 
 
 
 
 
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目が覚めたとき、私は自分の病室にいました。アンナのことを尋ねると、医師から娘には先天性の障害があると告げられました。大丈夫、お医者さんが何とかしてくれる、そう思いました。義肢もあるし、様々な手術もできる。夫は、ショックを受けて、ずっとそこに座っていました。彼は『ひどいことだ』としか言えませんでした。

そしてようやく娘の姿を見た私は、深い喪失感を覚えました。娘の皮膚は何ヶ月もかけて慎重に形成されていたのに、外気に触れた途端に完全に乾燥してしまったのです。指はあざだらけで青くなり、足の指も皮膚の緊張のせいで青くなっていました。

 
 
 
 
 
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アンナがどんな病気なのかGoogleで調べたりはしませんでした。心の準備ができていなかったからです。私の退院の日、迎えに来た夫は『お医者さんはアンナにはあまり時間がないと言っている』と言いました。それを聞いて私は吐き気をもよおしました。アンナを死なせはしないと決心した瞬間でした。

 
 
 
 
 
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アンナは強い子でした。新生児集中治療室で生き抜いたのです。しかし、次の難関は外の空気に慣れること。湿度が調整された保育器から外に出すと、アンナの皮膚はわずか5分で再び乾燥し、革のように厚くなってしまいました。翌日、ワセリンを塗って、ビニール袋とガーゼを巻いてあげると、皮膚の乾燥をなんとか抑えることができました。そして、ようやく退院できることになったのです。でも家に連れて帰る日は、ただただ怖かったのを覚えています。

 
 
 
 
 
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それからの2ヶ月間、私は孤独感と喪失感に苛まれました。でも夫や家族、そして多くの友人が私を助けてくれました。アンナが着ることができる服はフリースだけでした。数時間おきに全身にワセリンを塗り、1日に何時間も入浴させました。

私は自分が持っているものに目を向け、持っていないものには目を向けないようにしました。しばらくすると、アンナの余分な皮膚の層が剥がれ落ちてきたので、保湿をさまざまなクリームやオイルに切り替えることができました。残念なことに、肌と一緒に髪の毛も失ってしまいましたが、体は以前よりも丈夫になり、成長しています。

娘ができること、できないことを私が決めてはいけないと思いました。それでは彼女の可能性を最大限に引き出すことはできないからです。その代わりに、私は彼女が何でもできると決めました。そしてそれは事実です。今でも覚えているのは、初めてアンナにジーンズを履かせた日のことです。奇跡のような信じられない出来事でした。

アンナは毎日、良いことに感謝することを教えてくれています。アンナは私のためにあり、私はあの子のためにあります。アンナは真の美しさとは何かを世界に示しているのです」

難病を抱えた子どもを育てることは並大抵の苦労ではありません。さらに、外に出ると、病気のことを知らない人の冷ややかな視線や偏見にさらに苦しめられると言います。だからこそジェニーは、SNSで発信し、多くの人にこの病気を知ってもらいたいと考えています。

そして、実際に多くの人がアンナちゃんの成長を暖かく応援してくれること、さまざまな形で支援してくれることを心強く思っているそうです。こちらでハーレクイン魚鱗癬のような皮膚疾患を持つ人々の治療を支援する寄付もできます。

プレビュー画像: ©Instagram/harlequindiva