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両親はアイデアを笑い飛ばした。しかし3年後、11歳の娘は大金持ちになっていた。

2013年のある日、当時8歳だったスペイン人のキャンデラは病院の一室でストレッチャーに腰かけていました。「炎」を意味する名前を持つキャンデラでしたが、そのときは冷たく疲れ果てていました。キャンデラは白血病を患っており、その後の数年感を治療のため病院の中で過ごすことになります。

病院では安静の毎日を過さねばならず、何もすることがなさそうにボーッと座っていることが多かったといいます。そんなある日、そんな様子の彼女を見かねた一人のボランティアが簡単な手作りのブレスレットの作り方を教えてくれたそうです。キャンデラもボランティアも、この遊びが後に大きなプロジェクトに発展していくことなど、このときは知る由もありませんでした。

Youtube/Pulseras Candela

病院を退院したとき、キャンデラは友人たちにもこのブレスレットの作り方を教えてあげたそうです。少女たちは作ったブレスレットを、友人や家族などにプレゼントしていました。

キャンデラの容体が悪化し、再び入院することになったとき、知らせを聞いた彼女の友人たちは、あるアイディアを思いつきます。この手作りのブレスレットを売って、そのお金をキャンデラの治療代に充てるのはどうだろう?と考えたのです。

当初このアイディアを自分の両親たちに話したとき、笑い飛ばされ、取り合ってもらえなかったそうです。しかし、少女たちは大人たちの冷たい反応にへこたれるどころか、むしろさらにやる気をみなぎらせ、皆で黙々とブレスレット作りに励み、計画を練り始めます。

ある程度の数のブレスレットを作ったところで、彼女たちはお手製の看板を手に街へ繰り出し、路上でブレスレットを売り始めました。

すると、誰もが予想しなかったことに、なんとこのブレスレットが大流行し始めたのです。多くの人々が彼女たちの元を訪れ、彼女たちが「キャンデラ」と名付けたこのブレスレットを買い求めていきました。少女たちは疲れる間もなくせっせと働き、次から次へとブレスレットを作っていきました。ブレスレットは作ったそばから3~5ドルほどの値段で売れ、その後もキャンデラがほしいとここを訪れる人々は後を絶たず、それは人手が足りないほどの盛況ぶりでした。

一時期は生産が追いつかず、少女たちは誰もが手軽にブレスレットを作れるようになればと、簡単な作製手順の動画を作ってYoutubeにアップしています。

少女たちによる「キャンデラ」のプロジェクトが始まったのは、今から3年前のことです。キャンデラとその友人たちが始めたビジネスは、なんとこの3年間でおよそ100万ドル、日本円にしておよそ1億円という莫大な売上を達成しました!

キャンデラはその後、骨髄移植手術を受けて回復を遂げ、現在では自宅に戻って元気に暮らしています。キャンデラとその家族は、これまでキャンデラのたまに集められた金をすべて、スペインのバルセロナにあるサン・フアン・デ・デウ病院に寄付することに決めました。この病院には特別小児科センターが併設されており、キャンデラも入院していたことがある病院です。

驚くべきことに、彼女たちが寄付した金額はサン・フアン・デ・デウ病院の研究費用のうちおよそ1/3にもなるのだとか!寄付金は、小児がんの治療研究に役立てられることになります。

Youtube/Pulseras Candela

少女たちがこれまでに製作してきたブレスレットは、およそ27万4000個、使用した糸の総量はおよそ600キロメートルにもなるそうです。そして、ブレスレットの製作はこれからも続けられていくそうです。

こちらは彼女たちの活動が取材されたときの映像です。(スペイン語音声のみ)

「私たちがこれまでに稼いできたお金で、たくさんの人たちが救われるのがとっても嬉しい」キャンデラは話します。

友達思いの子供たちによって生み出された素晴らしいプロジェクトですね。少女たちの活躍を、これからも応援しています!