ジーンとくる話
ブラジルの病院に弱々しい足取りで入ってきた犬はその場に座り込んだ 近づいた獣医はその脚を見てハッとした
古代から、人間と犬は特別な絆で結ばれています。
古くは狩りにおける絶好のパートナーとして、現代では共に暮らす家族として、大きな安らぎを人間に与えてくれるのがワンちゃんです。
しかしその逆に…ワンちゃんも人間を相棒として頼りにしてくれているかもしれない、そんなことを感じさせるようなニュースが、ブラジルから飛び込んできました。
2021年3月6日、ブラジルのセアラー州ジュアゼイロ・ド・ノルテ市にある動物病院に、珍しい1匹の来訪者の姿がありました。
病院内に設置された監視カメラが、ことの一部始終を捉えていました。
実際にその動画をご覧ください!
…足を引きずるように、弱々しい歩調で入って来たからです。
すぐに反応したのは、獣医師のデイジー・シルヴァさんでした。犬の元へ駆け寄ると、引きずっていた脚を調べてみたのです。すると、肉球に釘が刺さっていることがわかりました。
それだけではありませんでした。シルヴァさんは犬の陰茎部分から出血していることに気づき、すぐさま犬を診察室へ連れて行ったのです。
検査の結果、犬は可移植性性器腫瘍(CTVT)と呼ばれる伝染性の性器感染症を患っていることが分かりました。シルヴァさんは急いで犬に応急処置を施し、薬を与え、シャワーで体をきれいにしてあげました。
その犬が回復するまでに、最低でも30日はかかるだろうとシルヴァさんは言います。しかしさいわいなことに、犬はびっくりするほど元気を取り戻し、順調に回復に向かっているそうです。クリニックでは、この名もなきワンちゃんを引き取ってくれる飼い主さんを募集している最中なんだとか。
このニュースはブラジルで大きな話題となり、「このワンちゃんを引き取りたい」というオファーが殺到しているそう。もうこのワンちゃん、住む場所には困らなくてすみそうです。よかったね!
それにしても…怪我をしたワンちゃんが、自ら病院の扉を叩いてくるなんて驚きですよ。ワンちゃんは心の底では、人間のことを深く信頼してくれている…そんなことがよく伝わってくるエピソードだったのではないでしょうか。
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