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えらい

女性だからと政府から資金援助を得られなかったBMXレーシング英国代表ベサニー・シュリーバー選手

オリンピックはアスリートの夢の舞台。名誉あるオリンピックへの出場権を得るために、多くの人が子どもの頃からトレーニングに励みますが、最高のコーチと最高の機材は決して安いものではありません。

集中的なトレーニングが実現できるかどうかは、お金の問題でもあります。そのため、才能あるアスリートのほとんどが国や企業から資金援助を受けています。

英国のベサニー・シュリーバーは、自転車競技BMXレーシングの選手です。9歳でBMXを始め、2016年のBMX世界選手権では銀メダルを獲得。2017年、彼女はその成功をさらに上書きし、BMXレースのジュニアの世界チャンピオンになりました。現在22歳のベサニーが世界で最も優れたBMXライダーの一人だということに異議を唱える人はいないでしょう。もちろん、彼女はオリンピックの英国BMXチームに選ばれました。

しかし、これだけの実力と実績があったにもかかわらず、ある理由で、彼女は国から援助の対象外とされたのです。その理由とは、彼女が女性だったこと。2016年、英国スポーツ省は東京オリンピックのBMXレーシング強化費用を男子チームだけに使うことを決定したのです。男子チームの方が将来性があると評価された、というのが理由でした。

スポーツ界で女性への公然たる蔑視がいまだに残っていることに呆然としたベサニーでしたが、それでもオリンピックへの夢を諦めることはできませんでした。彼女は保育施設でアシスタントとしてパートタイムで働きながら、両親の協力を得て、トレーニングを続けたのです。しかし、トレーニングはなんとか継続できても、オリンピックの準備資金には到底足りません。

資金不足で東京オリンピックに出場できないのではないかという不安を抱いた彼女は、2019年春、クラウドファンディングを開始。東京に行くには合計で約5万ポンド(約750万円)が必要になると計算し、その金額を目標額として設定しました。

資金不足の問題に加えて、ベサニーは多くの怪我を乗り越えなければなりませんでした。肩の脱臼、手首の骨折は3回、腓骨の骨折では足に金属プレートを埋め込んで固定し、リハビリに励む日々。それでも、彼女はオリンピックへの夢を諦めず、超人的な努力を続けます。

そしてベサニーの努力は報われます。世界中からの寄付で十分な額が集まり、怪我からも回復。ベサニーは東京オリンピックに出場します。そしてBMXレーサーとしての力を全世界に示しました。彼女は、過去金メダルを2度獲得しているマリアナ・パジョンを破り、わずか0.09秒という差で見事1位になったのです。金メダルは彼女のものとなりました。

ちなみに、英国男子チームのカイ・ホワイティも大健闘。銀メダルを獲得しました。1位でゴールして倒れ込んだベサニーにカイが駆け寄り、ベサニーをお姫様抱っこしてBMXトラックを走る姿は印象的でした。カイはインタビューで「僕は自分のことよりも彼女の勝利が嬉しかった」と語っています。

夢を叶え、自分にふさわしい場所に立ったベサニーは、支えてくれた両親と仲間、そしてファンに心から感謝しています。

多くの問題を乗り越えての栄冠、本当にすばらしいですね。今後は、実力のある選手がその実力以外の理由で資金を得られないような事態が起きないことを願うばかりです。

プレビュー画像: ©Facebook/The Butterfly Patch Forest Schools, Pre-schools & Nurseries