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期待してビデオオーディションを受けた俳優 しかしミュートになっていると思って監督が口にした言葉はあまりに残酷だった

コロナ禍では、誰もが生き延びるのに必死。

そしてそれは、きらびやかに見える俳優ももちろん例外ではありません。

ただでさえ競争の激しい業界。スターを夢見る若手俳優には、この状況はさらに重くのしかかっているでしょう。

しかし今回紹介する若手俳優ルーカス・ゲイジは、そんな状況の中でも、気を落とさずに、明日の大きな役を夢見て数々のリモートオーディションを受けていました。

しかしそんなルーカス、あるとんでもない出来事に遭遇してしまうのです。

それは8月のこと。いつものようにルーカスは自宅から、ある作品のオーディションをオンラインで受けていました。そして、いざ演技を始めようというその時に、彼の耳にこんな言葉が聞こえてきたのです。

「…こんなかわいそうな人たちって、いつもこういう、すごく小さいアパートに住んでいるよね。後ろ見てよ、テレビがあって…」

なんと画面の向こうにいる制作者が、ルーカスの家を見て、「みすぼらしい!」と言わんばかりのコメントをしていたのです。制作者はZoomをミュート(無音)にしていたつもりだったのでしょうが、実際はルーカスに丸聞こえでした。

Twitter/lukasgage

これにはルーカスも、「おいおい、マジかよ…」といった感じの表情。

しかしここからのルーカスの切り返しは、世界中の心を掴みました。

実際のオーディションの様子を、ルーカス自身がTwitterにアップしていますので、ぜひご覧ください。

ルーカス、笑顔でこう答えました。

「ええ、ミュート(無音)にしてください。みすぼらしいアパートだっていうのは分かってます。だからどうかこの仕事をください。そうすれば、もっといいところに住めますから」

雑談が聞こえていたと気づいた制作者、「本当に申し訳ない」とルーカスに謝りますが、ルーカスは「いいんです。実際、4×4ボックスのようなアパートに住んでますから。仕事さえくれれば大丈夫ですよ」とユーモラスに返答。

結局、そのオーディションは落ちてしまいましたが、ルーカスがその後「あなたが悪口を言うタイプのディレクターなのであれば、Zoomがミュートされていることを確認した方がいいぜ」というコメントを添えてTwitterにアップしたオーディション動画は、瞬く間に注目を集めました。

Twitterユーザーは、制作者側の傲慢さを非難すると同時に、ルーカスのユーモラスで、決して屈しない態度に大きな賞賛を送ったのです。

この動画が注目を集めたことで、その後、失礼発言をしたのはテレビ番組のプロデューサーだったと発覚。プロデューサーは、「『かわいそう』と言ったのは、経済的な意味ではなく、コロナ禍のせいでオーディションを自宅で行わなければならない俳優たちが気の毒という意味だった」とコメントを発表したそうですが…いまいち納得のいかない釈明です。

パンデミックの状況においては、持つ者と持たざる者の差が顕著に現れてしまいます。今回のケースも、安全地帯にいる、より権力を持ったプロデューサーのおごりのようなものが透けて見えます。けれどもそんな中でも、不屈の精神とスマートな対応で最後までオーディションを受けたルーカスは、図らずとも業界から注目を集めることとなりました。今後、ひょっとしたら大きなスクリーンでお目にかかれる機会も増えていくかもしれません!

プレビュー画像: / © Twitter/ lukasgage