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おもしろ・びっくり

【そんなの初耳!】考古学者が発見したとんでもない新事実11

数千年の時を超えて眠る、古代の秘宝をめぐる謎…子供時代、映画「インディアナ・ジョーンズシリーズ」のような宝探しの冒険に憧れたことはありませんか?

古代のお宝の謎を解明する考古学のお仕事ですが、実際には映画のような手に汗握るドキドキハラハラの冒険のようなものではありません。とはいえ、新たな新発見に出会うたび、探し求めていた宝を発見したかのようなワクワク感に心躍るのも事実です。近年になって、新たに解明された古代の新事実をご紹介します。

1. 黒海の沈没船

黒海の海底にはとりわけ貴重な沈没船が横たわっているのです。約2400年前に沈没した、現存する世界最古の古代ギリシアの商業船です。海底の酸素濃度が低いため、非常に良好な状態で保たれていました。古代の造船や船舶に関する新たな事実解明につながる大きな発見です。

2. ポンペイの隠された通り

火山灰に埋もれた古代ローマの都市、ポンペイ。約2000年もの間、当時のまま時が止まったポンペイの街並みから、古代ローマ人の日常の暮らしをよりリアルに伺い知ることができます。2018年、すでに発掘調査済みであった区画が脆弱な大地のため地盤沈下の危機にあったため、考古学者らは未発掘の区画が地盤沈下により損なわれる前に発掘調査を急ぎました。その結果、驚くほどに保存状態の良い鮮やかなフレスコ画の守護神が描かれた神殿が姿を現したのです。古代ローマの新たな事実解明に貢献する大きな発見となりました。

3. 世界最古のパン屋

パンの歴史は約1万年以上前に遡ることを示す貴重な証拠が発見されました。紀元前12000年から9000年にかけて東部地中海沿岸地方レバントに存在した亜旧石器文化、ナトゥーフ文化の住人により作られたとされる、世界最古のパンが発掘されたのです。コペンハーゲン大学の研究者によって発見された古代のパンのかけらは、人類が農耕を始めたとされる紀元前4000年よりも遥か前から、人類は穀物を採取し、脱穀してから粉を挽きパンを焼いていたことを証明しています。

4. 最初のアメリカ大陸先住民

これまでアメリカ大陸先住民は13000年前にシベリアを経由して北アメリカに移住したと信じられてきました。しかし、2018年テキサス州でそれよりも古い時代、少なくとも16000年以上前に人類が作った道具が発掘されたのです。歴史認定を覆す大きな発見であることに間違いはないようです。

3. 「黒死病(ペスト)」の歴史は、実は想定以上に古い

14世紀半ばのヨーロッパで猛威を振るい、10年間で2500万人の死者を出した黒死病(ペスト)。実はこの危険な伝染病と人の歴史はこれまで考えられていた以上に古いものであることが判明しました。2018年、ロシアのサマーラの3800年前の古代墓地からペスト菌ゲノムの祖先が発見されたのです。

6. 世界最古の人類の足跡

世界最古の人の足跡が発見されました。これまで最古とされていた、カナダのカルバート島で発見された足跡よりも更に13000年も遡るものです。子供1人と大人2人の足跡は家族のものでしょうか?それとも小さな集団に属していたのでしょうか?いずれにせよ想像量を掻き立てます。

7. 液体で満たされた石棺

2018年、エジプトで古代の大きな石棺が発掘されました。考古学者が石棺を開けると、中には謎の赤い液体に満たされた3体の遺体が。発掘に携わった人の中にはこのミステリアスな赤い液体を飲もうとする者までいたとか。しかし、発掘関係者の注目を集めたこの液体、実はただ単に下水が地中の石棺に染み込んだだけの謎とは程遠いシロモノでした。事実を知った途端、誰も試飲したがらなかったとか。

8. 古代エジプト、タディホールの銀製マスク

多くの考古学者を惹きつけてやまない国、エジプト。近年発掘された古代エジプトの遺跡は大いに考古学ファンを沸かせるものでした。なんと、故人をミイラ化する作業工房が発見されたのです!防腐処理のための容器や薬品だけに留まらず、工房の庭に掘られたトンネルの終わりには石棺があり、タディホールという名前の女性のミイラが永遠の眠りについていました。タディホールと刻まれた何十体もの小さな彫像とともに埋葬されたミイラの顔には銀のマスクが被せてありました。

9. 世界最古の絵

2018年は考古学の分野において多くの発見に恵まれた年でした。一見、なんの変哲もない石のように見えるこの石、実は人類史においてセンセーショナルな意義をもつ石なのです。石に浮かぶ赤い線、なんと73000年前に人間の手で描かれた、世界最古の絵なのです。この石が発見された南アフリカの洞窟からは古代の道具や銘刻文字、貝殻や真珠が発掘されています。

10. ヨーロッパ最古の人体像

宝探しを趣味とするお宝ハンターの中には、携帯金属探知機を用いて大地に埋もれた貴重品探索を楽しむ人もいます。2017年、スイスのビール湖で金属探知機が反応した場所を掘ってみた愛好家はビックリ、なんと正真正銘の歴史的な宝物が出てきたのです。銅で作られたほぼ実物大の人の手には金が薄く施されていました。約3500年前のものとされるこの「手」は、人体を表現した作品遺物において、ヨーロッパで最古のものとされています。

11. ビールの歴史、実は想定以上に古かった

Raqefet mortars.JPG
By Dani Nadel – Raqefet excavation, CC BY 3.0, Link

世界で最も古い加工飲料はビールだということは、以前から知られています。しかし、ビールの歴史が13000年前に遡るということはあまり広く知られてはいません。イスラエルで発掘された古代墓地の遺跡から、葬儀でふるまわれたとされるビールの痕跡が発見されました。

驚きの新事実!いかがでしたか? 当時の人々の暮らしを今に伝える実に興味深い発見ですね。

プレビュー画像:©︎Facebook/Ved Duggal,©︎Facebook/Pompeii – Parco Archeologico