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えらい

小さな姉弟の闘病記:がんと闘う弟を支え続けた姉

2019年、ある姉弟の写真が世界中に拡散し、多くの人に衝撃を与えました。がん治療で衰弱した3歳の弟がトイレの前に立ち、4歳の姉がその小さな背中をなでている写真です。

この心を揺さぶる写真をネット上で公開して3年、母親のケイトリン・バージが心温まるニュースを届けてくれました。

6歳になったベケット・バージは、がんを克服し、学校での1年間を立派に過ごしたのです。

恐ろしい診断

2018年4月25日、バージ一家は病院で衝撃的な診断を受けます。まだ2歳だったベケットが急性リンパ芽球性白血病(血液がん)だと分かったのです。この病気は急性であるため、発症すると急激に進行します。ベケットはすぐに重篤な副作用を伴う化学療法を受けなければなりませんでした。

幼いベケットが過酷な治療を受ける姿に家族全員がショックを受けました。特に、15ヶ月年上の姉オーブリーは小さな弟の苦しみを自分のことのように受け止めました。「彼女は、医師たちが無力に横たわる弟の顔に酸素マスクをかけ、注射針を突き刺し、何十種類もの薬を体内に送り込むのを見ていました」と母親のケイトリンは語ります。

弟を支え続けた姉

最初の集中治療を終えて帰宅したベケットは別人のように衰弱していました。活発でエネルギッシュで元気いっぱいだった弟は、無口で病弱で疲れやすい男の子になっていたのです。姉オードリーは当時3歳。弟の苦しみを完全に理解しているわけではありませんが、それでも弟といつも一緒に過ごすようになりました。

「ベケットが治療を受けている間、オーブリーはいつも弟のそばにいました。弟のそばで、弟を支え、弟の世話をし、どんな状況でも弟のことを気にかけていたのです」

こうして、化学療法の副作用で吐き気を催し苦しむ弟の背中を当時4歳のオーブリーがさするという胸が熱くなるような姉弟の写真が生まれたのです。

2021年8月、ベケットは一つの節目を迎えました。彼は最後の化学療法まで闘い抜き、初登校の日を迎えたのです。もちろん、姉オーブリーは学校に通い始めてからも弟をサポートしています。

「一緒に歩いて学校に行き、学校が終わると一緒に帰宅する。彼女はずっと弟の面倒をみてくれるんです」とケイトリン。

奇跡が起きる

家族の無条件の愛とサポート、そしてベケット自身の頑張りが奇跡を起こしました。恐怖の診断から4年以上が経過した2022年6月4日、ベケットは寛解(がんは消失)という診断を受けます。

ベケットががんを克服した今も姉弟の絆は変わりません。「二人は以前にも増して仲が良くなりました。私が入り込めないほど強い絆です。ベケットが試練を乗り越えることができたのはオーブリーがいてくれたおかげです」とケイトリンは語ります。

ベケットが苦しい治療の間、勇気や希望を失わなかったのは、いつもそばにいてくれた姉の存在が大きかったでしょう。共に試練を乗り越えた姉弟は、病気の心配をせずにのんびり過ごせる初めての夏休みを楽しみにしています。

辛く厳しい4年間を経て、がんを克服したベケット。
絶望に押し潰されそうになりながらも、懸命にベケットを支え続けた家族…出口の見えないトンネルのように見えた闘病でしたが、その先には光がありました。

出典:sympa-sympa , abcnews
プレビュー画像:© Facebook/Beckett Strong