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えらい

アメリカ版「オレオレ詐欺」 犯人を見事に出し抜いた73歳の女性

詐欺師は卑劣な手口を駆使して、罪のない人々、特に高齢者からお金をだまし取ろうと画策しています。

そんななか、アメリカで73歳の女性が詐欺師をまんまと出し抜くというスカッとする展開がビデオカメラに収められました。

詐欺師を手玉に取った73歳の女性の名前はジーン・エーベルト。ニューヨーク在住の年金生活者です。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

ある日、ジーンに電話がかかってきます。「飲酒運転で刑務所にいる」という孫からの電話です。彼は8,000米ドル(約90万円)の保釈金が必要だとジーンに泣きつきます。

「うめくような声が聞こえてきたんです。事故に遭ったという男のうめき声でした。最初は義理の息子かと思いました。彼は本当に冗談好きだから。でも、電話口の男性は『おばあちゃん、助けて』と言ったんです。でも私の孫は誰も運転できる年齢ではありません。その瞬間に詐欺だとはっきりわかったんです」とジーンは説明します。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

そう、電話口の男は「孫」を語る詐欺師。いわゆる「オレオレ詐欺」でジーンを騙そうとしていたのです。

73歳のジーンは詐欺と分かっていながら、そのまま演技を続けることにしました。その後も何度か電話がかかってきて、「孫」がニュージャージー州の地方裁判所に勾留されていることを知らせる電話や、孫の弁護士と名乗る男から保釈金として現金8,000ドルを要求する電話などがありました。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

騙されたふりをしたジーンは犯人を家におびきよせる策を思いつきます。「家に新しいキッチンキャビネットの支払いに使うための現金があるから、取りに来てと言ったら、彼はまんまと騙されたのよ」

もちろんジーンは警察にも通報しており、警察は8,000ドルを受け取りに来る男性を待ち構えていました。詐欺師がジーンの家のドアベルを鳴らします。ジーンがキッチンペーパー入りの封筒を渡すと、詐欺師はのうのうと受け取り、敷地を出ようとしました。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

その瞬間、ジーンの家から2人の警察官が飛び出し、犯人に猛然とタックル。捕まった29歳のジョシュア・ゴメスは重窃盗未遂で逮捕・起訴されました。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

この捕物劇の一部始終をインターフォンカメラが撮影していました。この事件を伝えるニュース映像をこちらからご覧いただけます。

実はジーンは、緊急電話(911番)の通報を受ける指令係を定年まで勤めていたそう。「その経験が今回冷静でいるのに役にたった」と話しています。本当にこんなに緊迫した状況で最後まで冷静に対応したジーン、お見事でした。

日本でも、犯罪者が電話で高齢者を騙してお金を巻き上げる「なりすまし詐欺」や「オレオレ詐欺」の手口はよく使われています。かなり前から注意喚起が行われているにもかかわらず、巧妙な手口が次から次に生まれるため、こうした詐欺被害は一向になくなりません。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

多くの人々が詐欺の手口の具体例を知れば知るほど、詐欺行為かどうかの判断にも役立つはずです。

ただ、ジーンのケースはうまくいきましたが、もし怪しいと感じたとしても、自分で詐欺師を出し抜こうとするのは危険です。

©Youtube/ GoodMorningAmerica

もしお金を要求されたら、ただ電話を切ることをお勧めします。また、詐欺の疑いがある場合は、一人で判断せず、家族や警察に相談してください。

出典:insiders

プレビュー画像:©Youtube/GoodMorningAmerica