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えらい

59歳女性が自らを犠牲にして隣人たちを洪水から救う

日本も含め、世界中で異常気象が発生しています。2021年8月末に壊滅的な暴風雨に見舞われた米国テネシー州では、記録的な大雨により、トレース・クリークの水が堤防を越え、ウェイバリーという街は家が流されるほどの洪水が発生しました。

この洪水で少なくとも21人の住民が帰らぬ人となりました。ただ、この街に住んでいたメアリー・ルーテンの勇気ある行動がなければ、もっと多くの犠牲者が出ていたかもしれません。

豪雨の中、事態の深刻さに気付いた59歳のメアリーは、ウェイバリーの住民に警告するために近隣の家を一軒一軒を回ったのです。

近隣に住むジョディ・スタウスキーはこう語っています。「緊急事態だから避難して!とメアリーが何度も扉を叩き、警告してくれたおかげで、ようやく事態の深刻さが理解できました」

©Youtube/Inside Edition

ジョディと息子が車に乗ったとき、水はすでに入り口まで来ていました。「車に乗ると、そこにはメアリーがいました。彼女は私たちを見て、早く車を出すように視線で促してくれました。私たちが今こうして無事でいられるのは、間違いなく彼女のおかげです」

©Youtube/Inside Edition

メアリーは他の隣人に危険を知らせるためにその場に残りました。その結果、メアリー自身が洪水で命を落とすことになります。

メアリーの二人の息子たちは、行方不明の母親を見つけることを最後まで願っていましたが、やがて悲しい事実を知ることになります。洪水で亡くなった21人のなかにメアリーが含まれていたのです。

洪水被害とメアリーの勇敢な行動を伝えるニュース映像は、こちらでご覧いただけます。

ウェイバリーでは今も復旧作業が続いています。人々は、荒れ果てた家に戻り、水や泥で破壊されていない家財を運び出しています。この困難な状況にあっても、人々はメアリーの行動が命を救ってくれたことを忘れていません。「私たちは彼女のことを決して忘れません」とジョディ。「彼女は自分のことよりも、私たちのことを心配してくれました。真のヒーローです」

メアリーの息子であるダスティンとウィリアムは母親を失った痛みを抱えながらも、最後まで隣人を救おうとした母親を誇りに思っています。二人の息子がメアリーの葬儀を出せるように、クラウドファンディングで寄付が集められました。

プレビュー画像: ©Facebook/William Luten