ちえとくをフォローする

ジーンとくる話

余命わずかな愛犬を手押し車に乗せ男性が向かった先は…2人の姿に泣いてしまった

飼い主にとって、ペットは大切な家族の一員。もし最愛のペットの余命があとわずかだとしたら、ペットのためにできるだけのことをしてやりたい、最善を尽くしたいと多くの飼い主が望むことでしょう。

英国ウェールズ地方に暮らす10歳のラブラドゥードル犬「モンティ」は飼い主のカルロス・フレスコと一緒に、ウェールズの美しい丘陵地帯を歩き回って冒険するなど、自然に親しんできました。

「長年、愛犬モンティと一緒に美しいこのウェールズ地方を訪ねて周りました。モンティはいつも私のそばにいた。国内の兵陵地帯を歩き回り、モンティはこれまでに3度も登頂に成功し、冒険を楽しんでいました」とカルロスは地元紙のThe Brecon and Radnor Expressに語っています。

しかし1年半前、モンティが白血病に冒されていることが発覚。闘病生活が始まり、これまでのように大自然の中を散策することはできなくなってしまいました。

2021年6月、寛解に向かうかに見えた白血病が再発し、モンティの容体は急激に悪化。もう、長くはない…愛犬の余命がわずかとなったことを悟ったカルロスはある決断をします。

カルロスの決断、それはモンティと一緒に最後の冒険に行くことでした。

兵陵を歩くのが大好きだったモンティのため、英国ウェールズ地方のブレコン・ビーコンズ国立公園の最高峰の山「ペン・イ・ファン」に登ることにしました。

とはいえ、モンティは衰弱しており自力での登山はもはや困難。そのため、カルロスはモンティを手押し車に乗せて、彼が愛した大自然の冒険をさせてあげることにしたのです。

「モンティの愛したビーコンズの兵陵地へと連れて行くことにしました。すっかり弱っていましたが、多くのハイカーからの注目を浴びて温かい声をかけてもらうのを楽しんでいました」

なだらかな兵陵が続くウェールズ地方は低い丘のような山が多く、最高峰の山ペン・イ・ファンでも標高は海抜886メートルとさほど高くはありませんが、それでも大型犬のモンティを乗せた手押し車を押しながらの登山は決して楽なものではありません。

山頂を目指す2人の姿は多くのハイカーの目を引きました。見ず知らずのハイカーたちはモンティの病状に悲しみ涙し、彼の最後の冒険の手助けをしたいと手押し車を押すのを手伝う申し出てくれたそうです。

「最後の冒険に出たモンティに声援を送り励まし、支えてくださったハイカーの皆さんに心から感謝します」とカルロス。

登山途中で出会った多くのハイカーたちの温かな声援を受けながら、順調に登山を続け、ついに山頂に到着。

これまでのハイキングや登山とはかなり異なる形ではありましたが、モンティは大好きな兵陵地帯の美しい自然を存分に堪能することができたようです。

そして、最後の冒険から間もない6月21日の朝、モンティはカルロスに見守られながら亡くなりました。

「モンティは月曜日の朝、私のベッドの下で亡くなりました。享年10歳。あの子は前日の父の日まで頑張ってくれましたが、今は安らかに眠っています。ブレコン・ビーコンズや丘陵地帯で出会った素晴らしい人々の温かな優しさとモンティに対する思いやりに感謝しています。あの子は私にとって、本当に特別な子でした。モンティ、ありがとう」

余命いくばくもない愛犬に、最後に彼が大好きだった場所に連れて行ってあげたいと望んだ飼い主。最愛の飼い主と一緒に、お気に入りの美しい兵陵地帯に出かけることができて、モンティは幸せだったことでしょう。最後の冒険の日、歩きながら眺めた大自然の光景は、モンティとカルロスにとって忘れられないものとなったはずです。

モンティ、安らかに。そして愛犬を失い大きな喪失感と悲しみの中にあるであろうカルロスの心が、いつの日か癒えますように。

 

プレビュー画像: ©️facebook.com/The Brecon and Radnor Express