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4年間の身体の変化を写真に撮った女性。写真を見たら、お近くのジムに入会したくなるかも?

拒食症は死につながることもある深刻な心の病気です。誰もが人生で一度は健康的になりたい、スリムになりたいとの願望からダイエットをした経験はあるでしょう。しかし拒食症の場合は強い痩せ願望や肥満恐怖からダイエットに歯止めがかからなくなりエスカレートしてしまいます。また、コンプレックスや劣等感に苛まれている人の中には、存在することすら辛い、この世から消えてしまいたいとの思いに苦しむケースもあります。そうした背景から食事を受け付けられなくなり痩せ細り拒食症を発症することもあるようです。

拒食症が進行すると徐々に衰弱し、餓死同然の死を迎えることもあります。

カナダ、トロント出身のアビー・ポロックもそんな危機的状況にあった一人でした。

5年前、この若い女性は重度の摂食障害を患っていました。当時の体重は現在に比べ9キロも少ない状態でした。アビー本人に自覚はありませんでしたが、明らかに不健康な外見でした。自分の体型に対して正しい認識ができない摂食障害特有の心理状態にありました。もっと痩せたいとの思いから常に空腹であり続けたのです。

当時アビーは家族関係や交友関係に悩んでいた上に、技術者になるための専門学の専攻のため重いストレスを抱えていました。そんなとき、アビーの父が癌の宣告を受けたのでした。自分の人生がなす術もなく崩れ落ちていくように感じる一方で、一つだけ、自分の体型だけは明確にコントロールすることができるとの思いから、アビーはより一層減量に固執するようになりました。身体が実際に必要とする滋養の高い食事を受け入れず、1日に900〜1000カロリーしか摂取しませんでした。(アビーと同年代女性が1日に必要とするカロリーの約半分です)

最終的にアビーは生野菜だけを口にするようになりました。毎日、サラダ2皿とスムージーを一杯のみの食生活です。あまりの飢餓感から挫折しそうになると小さな生野菜を噛んでしのぎました。

そんな生活が続いた2013年、絶え間ない空腹感の制御に疲れ果てたアビーは自身の生活を根本的に変える決心をしました。健康的な身体を取り戻すため、アビーは栄養士の指示に従うことにします。栄養士はゆっくりと丁寧にアビーの食生活を改善し、具体的な運動計画を提案しました。

現在のアビーは1日に1700カロリーを栄養豊かな自然食品から摂取しています。激しいエクササイズの代わりにウェイトリフティングを始めました。

新たしいライフスタイルはアビーに想像以上の成果をもたらしました。健康的な体重を取り戻しただけでなく、筋力もつきました。アビー自身も均整のとれた身体を手に入れたことで自信を持つことができたそうです。

多くの女性同様に、アビーもウエイトリフティングによって女性らしいなシルエットが損なわれてしまうのではないかと不安でした。しかし現在トレーニングによって手に入れた力強いカーヴィな身体に満足しているそうです。

拒食症を見事に克服したアビー。その驚くべき変貌は摂食障害に苦しむ人々にとって大きな励みになることでしょう。摂食障害によって人生を支配されてしまうのではなく、再び健康的で生き生きとした人生を取り戻すことができると示してくれる好例です。アビーの場合、専門家である栄養士の助言に従ったことが拒食症脱却の足がかりとなりました。まずは摂食障害について患者本人が自覚し、病院などの専門機関に相談することが摂食障害を克服する上での重要なポイントとなるようです。