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えらい

82歳の男性が修士号を獲得する

学び続けるというのは、存外に難しいことです。

学生時代は毎日のように学校に通っていたかもしれませんが、ひとたび仕事を始めようものなら、生活に追われてしまい、「勉強する」という習慣をなお持ち続けられる人はかなり少ないのではないでしょうか。

そんな中、ある大分県の男性が成し遂げたことが大きな話題を呼んでいます。

伝えているのは、毎日新聞です。

実際にそのツイートをご覧ください!

別府大学の卒業式で、卒業証書を手に持ち誇らしげな表情を浮かべるこの男性…

大分市片島の工務店「日本ハウジング」会長の、馬場駿二さんです。馬場さんはこの晴れやかな日に見事、修士課程を修了したのですが、驚くべきはその年齢です。

おん歳、なんと82歳!大分大学では82歳の卒業生は学部、大学院通じて最高齢だと言います。

「知識を得ることは何歳になっても楽しい。私にもできたのだから、定年を迎えた人も勉強に挑戦する楽しみを見つけてほしい」…馬場さんはそう話します。

しかしどうして馬場さんは、この年齢になって修士号を取得しようと思ったのでしょうか?

大分市生まれの馬場さんは、太平洋戦争が激しくなった5歳の時に、竹田市に疎開したそうです。そこで父親の注文家具製造業が不調になり、生活のために中卒で家業を継ぐことに。

そして30歳で現在の会社を発足させ、大分市へ進出したそうです。けれども心のどこかで、こんな思いがくすぶっていました。

「本当は、もっと勉強がしたかったなぁ」

その願いを叶えるべく、会社経営を波に乗せると、馬場さんは通信制高校を42歳で卒業します。

その後、「頭脳が老化する70歳までに大学を卒業したい」と逆算し、64歳で別府大へ入学。忙しい社長業をこなすかたわらで勉強を続け、68歳で大学を卒業。

その後、会社経営が忙しくなったことで、一時的に学業は中断しましたが、78歳で大学院へ入学。文化財学を専攻し、今回の文学修士号獲得につながったのです。

卒業式の日、馬場さんはこんな言葉を語りました。

「修士論文の執筆は面倒で、地獄の苦しみだと感じた日もあったが、いい経験になった。とうとう卒業したと思うと、うれしさがじわじわとわいてくる」…


学ぶのに遅すぎるということはありません。何歳からだって始めてみれば、そこから道が拓けてゆくのです。馬場さんが、それを証明しています。

プレビュー画像: ©Twitter/cvb_224

出典:毎日新聞