自閉症の少年の人生を変えたのは、禁固48年の殺人犯だった

ザッカリー・タッカーは小学校に通い始めたばかりのころに、それまでの彼の不可解な行動を説明する、ある診断を受けました。 ザックは自閉症の一種であるアスペルガー症候群に苦しめられていたのです。年を取るとともに、ザックの症状はどんどん悪化していきました。

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ザックは周りとのコミュニケーションが上手く取れないだけではなく、パニック状態になりやすく、突然泣き出してしまうことも日常茶飯事でした。パニックは誰かに触られると余計にひどくなってしまうため、彼を落ち着かせるのは容易なことではありませんでした。

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父アーサーと母スージーは必死でした。ザックの苦しみを和らげるためにできることは何でも試してきましたといいます。そしてザックが9歳になったとき、2人はネットで「クリス・ヴォート」の名前を見つけます。クリスは自閉症の子の相棒となる犬、「コンパニオンドック」を育てているドック・トレーナーでした。彼の腕前は業界一だとの情報に興味を持ったザックの両親でしたが、1つだけ大きな問題がありました。

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クリス・ヴォートは殺人罪で服役中の囚人だったのです。殺害に加わったとして、1998年に48年の禁固刑に処されていました。彼は刑期を過ごしながらシェルターに保護された犬達のリハビリテーションを行うプログラムに参加していたのです。

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クリスはこのプラグラムに一生懸命取り組んでいました。そして自閉症について学んで得た知識をもとに、自閉症の子ども達のための犬のトレーニングを考案したのです。

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自閉症の子ども達向けのコンパニオン・ドッグの育成というのは、現在でもあまり多く存在していません。刑務所にあるトレーニングセンターでも耳や目の不自由な人のためのコンパニオンドッグのトレーニングが主に行われていましたが、クリスはそこで自閉症の人向けのコンパニオンドッグのトレーニングを開始したのです。

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刑務所に出向いて殺人犯に会うなんて...。ザックはこのアイディアに乗り気ではありませんでした。しかしすぐに気が変わります。初日のセッションで、このチョコレート色の犬が自分にとって良い相棒であることを、ザックはすぐに感じとったのです。

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この犬の名前はクライド。クリスがクライドに教えたのは、パニック症状を感知する方法でした。ザックの心拍数が上がるのを感じたら、クライドは側に寄ってきて彼の気をそらす仕草をします。これによってパニックを防ぐ、という仕組みです。ザックはその後数回に渡って刑務所にいるクリスを訪ね、クライドとのトレーニングを行いました。

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その後、ザックの症状は驚くほど改善していきます。

「僕のパニック症状は70%くらい減ったと思う。近頃はリラックスしてることが多くて、学校で友達もできた。今までは友達なんて全くできなかったのにね」ザックの家族は、殺人囚に感謝を伝えるため再び刑務所を訪れます。そのときザックがしたことが皆を驚かせました。

ザックはコンパニオンドッグを訓練してくれたトレーナーに、ありがとうのハグをしたのです。これには両親もビックリしたそうです。ザックが人をハグする姿を最後に見たのは、もう何年も前のことでした。

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感極まってクリスは思わず涙を流してしまいました。クライドのおかげでザックの症状が改善したことに彼も心を動かされたのです。クリスがある男性と言い争いになり、取り返しのつかないことをしてしまったのは21年前間のこと。クリスは服役中、事件のことをあまり口にすることはありませんでした。でもその日、「あの時の自分は、正しいことをするのが怖かった。臆病者だったんだ」と、涙ながらに語りました。犬を訓練するプログラムは彼にとって、罪を償う方法の一つなのかもしれません。

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クライドと出会えたことでザックの人生は変わりました。パニックになりそうになるとクライドはザックに寄ってきて、うまい具合に注意をそらしてくれます。そんなクライドを見ると、ザックも落ち着きを取り戻すことができるようです。夜もぐっすり眠れ、友達を作ることもできるようになりました。以前は別は学校への編入も考えていたザックですが、今では成績トップの特別クラスに通っています。全ては、ある殺人犯のおかげ.....。

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こちらはザックとクリス、コンパニオンドッグの育成プログラムの取り組みを紹介した動画です。(英語音声のみ)

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ザックの見事な変化にあなたも心を動かされたならシェアしてください。服役囚が自閉症の子ども達を助けるための犬を育てるプログラム、なかなか素晴らしいと思います。誰にでもセカンドチャンスは与えられるべき、そう思いませんか?

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