四川大震災の感動の母の愛の写真が、東日本大震災の時のものと間違えられる

昨年、主に英語サイト上で東日本大震災の時の感動の話として、オレンジ色のコモフラージュのユニフォームを纏ったレスキュー隊員が赤土に埋もれた被害者を掘り起こしている写真が拡散されたのをご存知の方もいるかと思います。しかし東日本には赤土の地域は多くないし、消防や自衛隊の服にオレンジのカモフラージュというデザインはありません。

この写真は、2008年に起きた四川大地震のときに、中国人カメラマン・鄒森(ゾウ・セン)さんが撮影した「母愛・地震」と言うタイトルの写真です。翌年の中国国内の報道写真のコンテスト「国際新聞撮影比賽」で最優秀報道写真賞も受賞しています。この写真の裏には、美しい母の愛を象徴する物語がありました。

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しかしネットで拡散されていた物語は、事実とはかなり異なる内容でした。すでに亡くなっていた母親の腕から小さな袋が転がり落ち、その中にはまだ息のある小さな男の赤ん坊が入っており、急遽医者が呼ばれたというものでした。さらに袋の中には携帯電話が入っており、そこには「あなたが生き残ったら思い出してください。私はあなたのことを愛している」とメッセージが残されていたと言うのです。

実際の話はもっとリアルなものでした。

母親と9歳の娘は倒壊した自宅の下に下敷きになり、その後帰宅した夫によって発見されました。救助隊員が8時間かけて掘り起こしたものの、残念なことに二人はすでに亡くなっていました。そこには袋も携帯電話もなく、母の手には一膳の箸が握られていました。地震発生時に食事中だった母親は箸を置く間も無く、娘をかばったものと思われます。

写真をよく見ると母親の手には太い箸が握られているのがわかります。

二つとも感動的な話ではありますが、実際の話は地震の本当の怖さを語っています。小さな娘を守るため、懐にかたく抱きしめたまま亡くなった母親の姿が涙を誘います。

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