手術中に腸内ガスが引火、火災が発生

多くの人々にとってとりわけプライベートな身体パーツである外陰部。デリケートな部分であるだけに、診察治療や手術は精神的にも快適とは程遠いものです。 泌尿器科や婦人科での治療を終え、その他の部位の治療以上にホッと胸を撫で下ろす人は多いことでしょう。

2016年4月、東京医科大学で婦人科系の手術中のある患者はごく自然な身体機能の作用が原因となり、とんでもない災難に見舞われました。当時、女性患者はレーザーメスを用いた子宮頸部の手術を受けていました。

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(※画像はイメージです)

施術中、腸内ガスが発生するというごく通常の些細な出来事の結果、思わぬ惨事が引き起こされたのでした。腸内から外部へと放出されたガスはレーザー照射により着火、患者にかけられていた手術用の布に燃え移ったのでした。

(※画像はイメージです。当記事の実際の画像ではありません)

火はすぐに消化されましたが、患者は腰回りや脚、腕の広範囲にわたって重度の火傷を負いました。疾患を治療するための手術中に予期せぬ事故によりさらに重傷を負うことになった女性患者はあまりにも気の毒です。

事故発生後、警察は業務上過失傷害容疑で医師から事情を聴くなど捜査を進めました。外部調査委員会によると、これまでに国内外で同様の事故の報告はないそうです。

同病院の産科・婦人科では同じ手術を中止し、被害患者に謝罪しました。

レーザーメスを始めとするレーザー治療装置は、人工的なレーザー光を利用する医療機器で、熱の作用により止血しながらの切開が可能です。スムーズに切開しやすいため、婦人科だけでなく一般の外科、眼科、皮膚科、整形外科、耳鼻咽喉科、美容整形外科、歯科など広く利用されています。また一方で熱で切開・止血をするため、金属製のメスに比べ傷跡が残りやすいという説もあります。

今回の事故に関して日本レーザー医学会からも声明が発表されました。

人々の健康と命を預かる安全な医療のため、どんな可能性の低いリスクも事前に想定し、不測の事態を回避することは大切です。このような事故が今後医療現場で発生しないよう祈るばかりです。

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