ヌード撮影に挑んだノルウェー政治家が伝えたかったこと

ノルウェー人のトルステン・レーホルは教師であり政治家であり、市民活動家でもあります。 また積極的に世界中を旅して周ります。トルステンの存在はとりわけ人々にインスピレーションを与えます。

現在30歳の彼に出会う人々の第一印象はいつも驚きが付き物です。トルステンは一見、一般に人々が抱きがちな「成功したハッピーな男性」のイメージとは懸け離れたものかもしれません。

facebook/Torstein Lerhol

トルステンは脊髄性筋萎縮症を患っており、車椅子での人生を余儀なくされています。人里離れた遠隔地で農業を営んでいる両親は、いつもトルステンを支えていました。

医師から息子は生涯歩くことができず、健常人とは異なる生活を余儀なくされるとの宣告を初めて受けた両親は、それでも息子を普通の子供と変わらないように育て上げようと決意しました。

facebook/Torstein Lerhol

姉妹たちと同じように学業を収め、大学を卒業したトリステンは、世界各地を旅しながら着実に自分の未来を切り開いていきました。当初、教師を志していましたが、次第に政治の道にも関心を持ち始めます。トリステンがノルウェーで最も影響力のある政治家として認知されるようになるまでそう時間はかかりませんでした。わずか体重17キロのノルウェー史上最も軽量の政治家でした。

「自分を運んでくれるヘルパーの負担になりたくないからね」

トリステンは体重を増やそうとは思わない理由を陽気に語ります。そんなトリステンのユーモアからは、自身の疾患に対する捉え方が伺えます。トリステンの前向きな姿勢は、多くの人々に勇気を与えます。

facebook/Torstein Lerhol

政治家として、ノルウェー国内で有名人であることに慣れていたトリステンですが、あるとき若いフォトグラファーのヘンリック・フヨルトフトが提案したある奇抜なアイディアには、ついためらってしまったといいます。

なんと、ヘンリックはヌード撮影を提案したのです。トリステンは自分の身体が一般に人々の目にさらされるようなものではないと考えていました。しかし結局、思い切って提案を受けれることにします。

そしてその数ヶ月後、斬新で独創的な画像が世界中の心を強く揺さぶることになります。写真に添えられたトリステンの言葉は、さらに一歩先まで踏み込みんだものでした。

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

「こうした発言と写真を公にしていいものか長い間決めかねていました。私の身体や容姿が私自身の内なる存在、或いは自己認識の形成に大きな影響を与えてはいないということに注目してもらいたかったのです。私にとって自分の外観は、何か大きな目標を掲げ、成し遂げる上で、障害になることはありません。

自分の外見にとらわれがちな人々に私のメッセージが届き、内面世界の充実に、より意識を向けてもらえればと願っています。それは、内なる真価によって人生の成功や豊かさが決まるからです」

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

「フォトグラファーの狙いは、真の美と言うものが、通常私達が思い描く『美しさ』以上のものであるということを伝えることでした。美しく重要なものは何か、簡単に答えることはできません。今回の撮影を通して、彼はあらゆるものに美は宿るということを示そうとしています。

身体的なハンディキャップや容姿に関係なく、こうしたメッセージは世間に受け入れられるべきです。シンプルで明確な答えがないからこそ、これらの写真撮影に同意し公開することにしたのです」

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

「もちろん自分がブラッド・ピットではないことは分かっています。骨ばって筋肉は萎縮していますし、湾曲した背骨はまるでノートルダムのせむし男(ビクトル・ユーゴーが1831年に出版した、原題"Notre-Dame de Paris"の小説の主人公)のようです。しかしそんな外観が私の夢を阻むことはありませんでした。ただ自分に授かった才能と技能を活かしたまでです。教育と政治活動は私に、いわゆる「完璧なルックス」はなくとも目標を達成することができるという確信と自信を与えてくれました。それ故に、人々は私の骸骨のような容姿をさほど気にかけることなく、敬意を持って接してくれます。学校で生徒は私に、ごく普通の教師と同様に接してくれます。とりわけ子供達にとって外見が重要で取り扱いの難しいテーマであるだけに、生徒が私と他の人と同様に接することができるという事実は、希望を与えてくれるものです」

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

「外見はすべての状況において重要ではないとこの場でつらつらと夢見がちな主張をしたいわけではありません。また、人は自身の身体について気にするべきではないと言いたいわけでもありません。ただ、外見によって自分自身や自分の人生のあり方を定義付けるべきではないと訴えたいだけなのです。私は自分の容姿が人生において最も重要な役割を果たすことのないよう、積極的に意識してきました」

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

「モデルの容姿とは懸け離れた私にとって、こういった決断は下しやすいものだったのかもしれません。しかしだからと言って一般の人々に同様の選択ができないというわけではありません。人は、外見以上に大切な素養や特性を多く備えています。それこそ重視されるべきなのです。能力や才能、考え方といったものに、より世間の関心が向けられるべきです。誰が太っているか、痩せているか、大柄か小柄か、外見の相違に振り回されるべきではありません。一般に容姿は、過剰評価され過ぎです」

facebook/Fotograf Henrik Fjørtoft

内面と可能性を磨けば、自分の人生を豊かに切り開けるだけでなく、周囲の人々にも良い影響を与えることができるというトルステンの人生観を表す、心に響く言葉ですね。友達や家族にも是非シェアしてください。

コメント

おすすめの記事