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6歳の少女が希望を胸に薬局の列に立った。彼女が欲しいものを聞いて、胸が痛む。
説明できない不思議な経験をしたことはありますか。これは、薬局で弟のために奇跡を買ったテスという少女の物語です。
テスは明るく元気なアメリカ人の女の子です。両親、そして弟のアンドリューと暮らしています。
ある日テスは、両親がアンドリューの話しているのを耳にしました。その会話の中から、アンドリューが重い病気であること、家には医療費を支払うためのお金が残っていないことをテスは知ります。今よりも家賃の安い小さなアパートに引っ越さなければならないほど、家族にはお金がなかったのです。しかし、アンドリューは早急に手術を必要としていました。
「アンドリューが助かるには、奇跡が必要かもしれない」
父親がそう言うのを聞いたテスは、あることを思いつきます。
テスは自分の貯金箱を開け、中に入っていた小銭を一度、二度、そして三度数えて確認します。そして再び貯金箱の中に小銭を入れ直し、それを抱えて誰にも気がつかれないように静かに家を出ました。
家から歩いてそう遠くない場所にある薬局に入ったテスは、列に並んで順番を待ちます。しかし薬剤師の男性はひとりの男性客と長話をしていて、小さなテスがいることに気付いてくれません。足踏みをしてみたり、咳払いをしても気がついてもらえないので、しびれを切らしたテスは貯金箱の小銭をカウンターにぶちまけました。
驚いた薬剤師は、テスのほうを向きました。
薬剤師の男性はテスに言いました。
「久しぶりにあった弟とと話していたんだ。気がつかなくてごめんね。何が欲しいの?」
「私にも弟がいるの!」テスは興奮して言います。「でも病気で、だから弟のためにキセキを買いにきたの」
薬剤師の男性はテスの言ったことの意味がよく分からないようだったので、テスは続けました。
「私の弟、アンドリューっていうの。頭の中にできものがあって、それがどんどん大きくなっているの。パパがアンドリューを助けるにはキセキがいるって言ってたから、キセキがいくらするのか知りたくて…」
「おじょうちゃん、残念だけど奇跡は売ってないんだ。助けてあげられなくてごめんな」
「おねがいします。お金はあるの。これで足りないならもっと持ってくるから、値段を教えてください」
すると立ち聞きしていた薬剤師の弟がテスに質問しました。
「どんな奇跡が必要か、分かる?」
「分からないけど、手術が必要なの。でもパパはお金がないっていうから、私が払おうと思ったの」
テスは貯金箱を抱きしめながら訴えました。
「いくら持ってるの?」
「8ドルと11セント」
それを聞いた薬剤師の弟は少し笑うと、微笑みながらテスにこう伝えました。
「笑ってごめんね、あまりもの偶然に驚いてしまって。君の弟の奇跡もちょうど同じ値段なもんだから」
薬剤師の弟はそう言うと、テスの持っていた小銭を受け取ってテスを家まで送っていってくれました。男性を家の中へと迎え入れたテスの両親は驚きます。娘を送ってきてくれた薬剤師の弟は名の知れた脳外科医で、なんとアンドリューの手術を無料で引き受けさせてほしいとテスの両親に申し出たのです。
テスの両親は言葉が見つかりませんでした。手術の本当の値段は一体いくらなのか?
テスは微笑みます。テスはその答えを知っていたからです。
完璧すぎるタイミングでの奇跡の出会い。アンドリューはその後元気になり、テスは奇跡の力を信じるようになったそうです。