確率1%:27歳になったシャム双生児

1990年7月3日、分娩室に入るパティ・ヘンゼルは、これから生まれる赤ん坊が医療の歴史に名を残すことになるとは夢にも思いませんでした。

難産だったため帝王切開をすることになりましたが、ほぼ順調に出産が終えたパティ。しかし医師たちは、生まれ落ちた子供を一目見てある異変に気がつきます。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

医師と看護師たちは赤ん坊を見た瞬間、分娩室の時間が止まったように感じたと言います。赤ん坊には頭が2つ、腕が3本あったのです。

これは結合双生児、またはシャム双生児とも呼ばれる状態で、一卵性双生児が受精後13日以降に分裂した場合、頭と首、それから内臓の一部以外が双子間で共有されて生まれてきます。パティの子供は頭と心臓、背骨、食道、そして胃をそれぞれ独立して持っていましたが、あとは共有していました。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

生まれて最初の検査で数週間の余命を宣告されましたが、この結合双生児アビゲイルとブリタニーは両親の愛情をいっぱいに受けながら、生き延びました。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

生後4ヶ月で3本目の腕の切除手術が行われ、医師からは2体の分離手術も勧められました。しかしそれはアビゲイルとブリタニーのどちらかが命を失うということを意味していました。両親にとってどちらかの命を選択することは不可能なことでした。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

両親の選択のおかげで、アビゲイルとブリタニーは体を共有しながら、アメリカのミネソタ州の小さな村で双子として活発な人生を送ってきました。右側の手足をアビゲイルが、左側の手足をブリタニーが動かすことで歩行をマスターした2人を止めるものは何もありませんでした。子供時代は野球、バレーボール、ソフトボールで活躍し、ピアノも習い、水泳とボーリングも嗜むそうです。ティーンエイジャーになると運転免許も取得。さらに高校卒業後は大学で学び、現在は教師として働いています。アビゲイルとブリタニーは独立した人格を持っています。2人の嗜好や興味は異なるので、他の兄弟姉妹と同じように喧嘩をすることもあります。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

結合双生児の2人が今こうして生きていること自体、実は奇跡のようなことなのです。多くの場合、生まれる前に命を落とす結合双生児が、この世に生まれるのは10万人に1人の割合で、そのうち1歳の誕生日を迎えることができるのはわずか1%です。

Facebook/Abigail and Brittany Hensel

この姉妹の生活を記録した映像は、以下からご覧いただけます(音声英語のみ):

アビゲイルとブリタニーのこれまでの27年間の人生は、多くの人々の心を動かしています。1997年、7歳で初めて2人はトークショー、続いてニュース番組に出演。2012年にはリアリティTV番組にも出演しました。誰もが不可能と思うことに挑戦し、その度に目の前の壁を乗り越えてきた2人の人生はまだまだ多くの人に勇気を与え続けることでしょう。

コメント

おすすめの記事