ちえとくをフォローする

ジーンとくる話

命の瀬戸際で、女性は突然頬に温かい吐息を感じた。看護師たちは涙を抑えることができなかった。

イギリス北部の町ウィガンにあるウィガンロイヤル病院の前では、ある感動的な光景が繰り広げられました。看護師たちは77歳のシェイラ・マーシュの最後の願いを叶えるため、彼女のベッドを病院の外に運び出しました。長年にわたる闘病生活を続けていたシェイラは、最期のときを迎える前にかわいがってきた友人にどうしても別れを告げたかったのです。

訪れた4本足の友人の名前はブロンウェン、シェイラが25年間大切にしてきた愛馬でした。最後にどうしてもこの牝馬に会いたいという彼女の願いを叶えるため、娘のティナ(33)が病院のスタッフと協力して再会を実現させました。

「母は特に馬を愛していましたが、すべての動物を心から愛していました。母は馬を6頭、犬と猫を3匹ずつ、他の動物も飼っていました」ティナは言います。

馬は病院内に入ることはできないので、面会は病院の前で行なわれました。ブロンウェンはゆっくりとシェイラのベッドに近づき、彼女の顔を鼻で優しく撫でて別れのキスをしました。この愛おしい瞬間に立ち会った人はみな涙を抑えられませんでした。

病院の副看護師長、ポーリン・ローはこう言います。

「これはシェイラと家族にとって非常に大切な時間だったことは明らかです。シェイラのケアの極めて重要なこのときに、これを実現させるお手伝いができて光栄です」

愛馬との最後の面会からまもなく、シェイラは安らかに息を引き取りました。シェイラの最後の願いを叶えるために労を惜しまなかったウィガンロイヤル病院の看護師とスタッフの真摯な対応に頭が下がります。