父親がフロントグラスを擦っている間に車内の母親と赤ん坊が死亡

2016年1月、激しい冬の嵐「ジョナス」がアメリカ、ニュージャージー州一帯を襲いました。 当時23歳の看護実習生サシャリン・ローザは、このままでは家から出られなくなると思い、パートナーのフェリックス・ボニーラと赤ちゃんの息子メシア、3歳になる娘のサナイアの家族全員で車で避難することにしました。とはいえ車は完全に凍結状態。走行するにはまず凍結した車を解氷しなければいけませんでした。フェリックスが解氷作業の間、サシャリンと子供達は車の中で待機していました。寒い思いをしないようエンジンをかけ暖房を付けた車内に家族を残し、フェリックスは極寒の中で凍った車の霜取りに励んでいました。家族を気遣う父親らしいこの行動が、皮肉にもフェリックスを終生苛むことになるのです...

 

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アイススクレーパーと雪かきシャベルを使いフェリックスが作業を終えるまで、その間11分。わずかな時間が家族に悲劇をもたらしました。その11分間のうちにサシャリンと子供達は窒息死してしまったのです。車の排気口は雪と氷にとざされており、その結果排ガスが車内に逆流したのです。一酸化炭素は無臭・無色、無刺激であり吸っても自覚症状がないことから「サイレントキラー」とも呼ばれています。

作業が終わったフェリックスは窓をノックし、車内で眠り込んだ家族を起こそうとしました。しかし一向に反応しないサシャリン。フェリックスはドアを開け、サシャリンの肩をそっと揺すりました。そして...サシャリンが生きていないことに気づいたのです。あまりの衝撃にフェリックスは叫びました。

3人はすぐに救急車で病院に搬送されました。しかしサシャリンと2人の子供達はすでに手遅れの状態でした。搬送時にはまだ息のあったサナイアも間もなく病院で死亡が確認されました。

一酸化炭素中毒による悲劇的な死亡事故でした。一度に大切な家族全員を失ってしまったフェリックス。地元パセーイクの警察署長は冬場の車内での命にかかわる危険性について警告しています。

「まず最初に車後部の雪を除雪し、エンジンをかける前に排気口からしっかり排気できるようにしてください!」

 

一酸化炭素は無色・無臭であるがゆえに自覚症状なしのまま、急速に昏睡状態に陥ります。排気口が雪や氷で閉ざされている場合、車内に人が乗ったままの状態で車を温めたり凍った窓を溶かすためにエンジンをかける行為は極めて危険です。

日本でも大雪により車内に閉じ込められたドライバーが一酸化炭素中毒により亡くなるという悲劇的なニュースは後を絶ちません。車は吹雪などで短時間で埋もれやすく、立ち往生してしまうことが多いそうです。運転中に積雪により身動きがとれなくなってしまった場合は、駐車したまま他の方法で帰宅するか、それが無理であれば排気口の除雪を頻繁に行って救助を待つべきだそうです。

サシャリンと幼い2人の子供、失われた命はもう帰ってはきません。しかし悲しい事故から私たちが学び、こうした悲劇を2度と繰り返さないよう願うばかりです。

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