定年退官3日後、25年前の仕事を終わらせるためカンボジアに飛んだ70歳日本人男性の情熱に胸が熱くなる

70歳になった自分が何をしているか、考えたことはありますか?定年退職して悠々自適に暮らしていますか?それとも現役で働いていますか?もしかしたら長年の夢を叶えるために世界旅行中かもしれません。

でも、家族から遠く離れた地雷原で暮らそうという人は、あまりいないのではないでしょうか。

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講演先の小学校の生徒たちと給食を食べる男性は、高山良二さん。きれいに日焼けした笑顔からはなんとなく人並みではないエネルギーが伝わってきます。36年間自衛官として勤務した高山さんは、2002年に退官すると、その3日後、自衛隊で習得した地雷処理技術を活かそうとカンボジアへ渡りました。

Facebook/US Embassy Brussels

カンボジアでは1970年から20年以上にわたって内戦が続き、国土は荒廃しました。今ではアジア屈指の年7%の経済成長率を誇る新興国となっていますが、現在もあちこちに地雷や爆発せずに残った不発弾が埋まり、人々の安全な暮らしを妨げています。

Facebook/高山 良二

 そんなカンボジアに渡った理由を高山さんはこう語ります。

「私が初めてカンボジアを訪れたのは、陸上自衛官として国連平和維持活動(PKO)に参加した24年前になります。(中略)私は破壊された道路や橋の整備を担い、半年の任務を終えました。しかし大量の地雷が埋まっている現状を知りながら帰国した私は『まだやり残したことがある、必ず戻ってこよう』と心に決めました」

そして、25年後の今、高山さんは当時の思いを実現しています。

Facebook/高山 良二

カンボジア内戦の激戦地の一つ、タイとの国境に位置する人口7千人のタサエン村を活動地に選んだ高山さん。地雷や不発弾が庭先や畑から今でも見つかるこの村は、大量の地雷や不発弾が埋められたまま放置され、村の開発が進まず、カンボジアでも最も貧しい地域です。

Facebook/高山 良二

タサエン村に住むコイ・デンさんは、内戦中に片足を失い、ようやく内戦が終わり農地を開墾している最中に地雷を踏み、もう片方の足も失いました。

Facebook/高山 良二

両足を失ったとき、コイ・デンさんは自殺も考えたことがあったそうです。しかし、妻ジエイランさんや子供のことを想い、踏みとどまりました。

両足とも義足で動くのは困難でしたが、必死に畑を耕し果樹栽培を始めました。高山さんが村にやってきて、少しずつ地雷が除去され、果樹も思うように育つようになってくると、再び生きる希望を取り戻したそうです。今では、開墾した畑にリュウガン500本を植え、毎年の収穫を楽しみにしています。

高山さんは、同い年のコイ・デンさんを「親友」と呼び、「お互い、まだまだこれからが人生の本番と思っています」と励まし合う関係です。

Facebook/高山 良二

高山さんが2011年に地域住民と日本人を巻き込んで設立した認定NPO法人 国際地雷処理・地域復興支援の会は、これまでに、対人地雷350個、対戦車地雷145個、不発弾682発を処理し、154ha(東京ドーム約33個分)のタサエン村と周辺地域の土地を安全な土地にしてきました。

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しかし、依然として村の生活は厳しいまま。

「・・・劣悪な環境で、村人は生きるためにキャッサバ芋を植え、タイに安価で売っていました。この芋に付加価値を乗せ、村人の収益を上げられないかと考えたことが、焼酎を造るきっかけです」

村人の収入源創出のために、村特産のキャッサバ芋を使って焼酎を作ろうと、酒造りの経験ゼロの高山さんと地元の女性数人は考えたのです。

日本の酒造メーカーの協力を得て、ついに発案から9年目にして今年、豊かで深い味わいの美味しいお酒「ソラークマエ(赤)」がこの世に生まれました。

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高山さんは、タサエン村で「おじいさん」を意味する「ター」という愛称で呼ばれています。毎日、地雷や不発弾除去を続けながらお酒まで作り、日本各地で講演活動も精力的にこなす高山さんは、おじいさんの概念を覆す、「スーパーおじいさん」です。

Facebook/高山 良二

カンボジアの人たちに大きな希望を与え続け、私たち日本人にも勇気と希望を与えてくれる「スーパーおじいさん」の高山さん。誰もが高山さんのような活動ができるわけではありませんが、人生の終盤でも決して情熱を失わずエネルギーに溢れる高山さんの姿は、人間はこんな風にも生きることができるということを教えてくれるのではないでしょうか。

高山さんは地雷除去活動の資金源を得ようと、日本各地で講演活動を行なっています。高山さんの今後の活動については団体のFacebookまたはHPで確認してください。地雷除去活動への寄付も引き続き受け付けています。

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