28歳の男性の生放送中のある行動で、5年に渡る内戦が停戦した。奇跡を起こした立役者の真の姿に言葉を失う。

今年はサッカーW杯がロシアで開催されます。4年に1度のこの大イベント中はオリンピックさながら、世界中の人が自国代表の動きを目の皿のようにして見ています。

W杯の予選大会には200以上の国と地域が出場し、800試合以上が実施され、ようやく本選出場国が決定されます。テレビ放送される試合はもちろん、全予選大会の1試合1試合で、大きなドラマが繰り広げられているのです。

 

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2005年10月8日、この日は2006年ドイツW杯の予選、スーダン対コートジボワール(アイボリーコースト)戦でした。この一戦が、まさか歴史を大きく動かすきっかけになるとは誰も予想だにしていませんでした。

この日を境に、コートジボワールの歴史は大きく書きかえられたのです。

それは、ある選手の行動が招いたものでした。彼の名は、ディディエ・ドログバ(39)。フランスの一部リーグで頭角を現したドログバは、2005年当時28歳でイギリスのプレミアリーグの名門チェルシーのセンターフォワードとして大活躍、国内外で名実ともに誰もが認めるエースストライカーでした。

 

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ドログバは華麗なキャリアを国外で築いていましたが、母国コートジボワールは、2002年から北部と南部に分かれ激しい内戦が続き、何千もの尊い命が失われ、何百万人もの人々が住む場所を失い路頭に迷っていました。憎しみが憎しみを生み、内戦は泥沼と化していたため、予定されていた選挙も激しい暴力と死者が発生することが予想されていました。

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YouTube/How The World Cup Stopped A War

そんな情勢を背景に行われたこの試合で、コートジボワールはアウェイ戦にも関わらずスーダンを3-0で打ち破ります。そしてドイツでのW杯本線の切符をコートジボワール史上初めて手にしたのです。 

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90分を戦い抜き、勝利の喜びに湧くコートジボワール代表。キャプテンのスリル・ドモロウは、マスコミ陣をロッカールームに招きます。そしてリポーターからマイクを奪うと、ドログバに渡します。今夜の勝利の立役者であり国民的英雄のドログバは、メインのカメラを見つけると、急に静かになり、こう切り出しました。

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「アイボリーコーストのみなさん、

北の人も、南の人も、中央、そして西の人も。

私たちは今日、アイボリーコースト国民はどこ出身でも共存できること、W杯本選に出場するという同じ目標を持って一緒にプレイできるのだということを証明しました。みなさんに約束します。この勝利がみなさんを1つにすることを。今日、私はみなさんにひざまずいて心からお願いします」

ドログバがひざまずくと、他の選手たちも皆一斉にひざまずきました。

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「赦しを。赦し合ってください。どうか赦しを。アフリカのこの豊かな国がこんな戦争をしてはいけません。どうか…全ての武器を置いてください。公正な選挙を実施しましょう。きっと良くなります」

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ここまで真剣な表情で、淀むことなく一気に伝えると、にっこり笑ってチームメイトと立ち上がります。そしてみんなでこう歌ったのです。

「みんなで楽しみましょう。銃を撃つのはもうやめてください」

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このメッセージが放送された後、大方の予想に反して、選挙は一滴も血を流すことなく無事に実施されました。そしてコートジボワール代表がドイツW杯の試合をした2006年夏、内戦は終わりました。ドログバと、多くの人々の平和に向けた努力が実った瞬間でした。

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さらに2007年3月、ドロクバは2010年W杯予選の対マダガスカル戦でさらに平和に向けた一歩を進めます。比較的安全な首都のカラカスから、敵対していた反政府勢力の本拠地で激戦地だったブアケに試合場所を変えるよう要請したのです。そしてこの日、国民みんなで一つになろうと呼びかけます。

この日、内戦開始以来初めて北部のムスリムと南部のクリスチャンの両リーダーが会場でコートジボワール国家を歌った姿を見たドログバは、「アイボリー・コーストが生まれ落ちたのを見た」とコメントしています。

それから5年の月日が流れ、2011年4月、南北に分断されていたコートジボワールはついに再統一され、現在ではアフリカ大陸で随一の高度経済成長時代を迎えています。この平和を実現するためには多くの人々が血を流し努力を重ねてきましたが、正義のために意見を言うことを恐れなかったドラグバの勇気ある行為が、国民が武器を置く契機になったことは間違いありません。

こちらの動画で2005年10月8日の対スーダン戦後のドログバのスピーチをご覧いただけます。(字幕音声英語のみ)

サッカーファン以外には知られていないこの偉大なピースメーカーのストーリー、ぜひシェアして広めてください!

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