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人の親切に感動した女性が、一人の男性の人生を変えるべく行動を起こす

友達と思わず夢中で話し込んでいるうちに、脇においた財布や携帯電話の存在をすっかり忘れてしまう…そんな経験はありませんか?イギリスのボルトンに暮らすデイジー・オーウェンは、この危険性について痛いほど思い知らされる出来事に遭遇します。

彼女はある夜、出かけ先で携帯電話や家のカギを入れたハンドバッグごと紛失してしまいます。まさか見つかるわけないとあきらめたデイジーは、結局新しいiPhoneを購入し、念のため家のカギもすべて取り換えたそうです。ところがそのわずか2日後、彼女は友人から思いもよらぬ連絡を受けることになります。

友人によると、あるホームレスの男性がバーの外に落ちていたハンドバッグを見つけ、その持ち主を2日間探し回っているというのです。その知らせを聞くや否や、デイジーはすぐにその男性に会いに家を飛び出しました。

男性の名はポール・カルダーバンク、彼が拾ったハンドバッグはまさにデイジーのものでした。バッグの中に入っていたスマートフォンを売ったり財布の中のお金を使ったりできたはずですが、ポールはバッグの中身には手を付けないまま、持ち主を探して寒空の下を歩き回っていたのです。

「オレは正直に生きることにしてるんだ。良い事をしていけば、必ず自分に返ってくるって信じてるからな」ポールは話します。

ホームレスに対する偏見も理解していたポールは、持ち主を探しているのだというメモを書いてバッグに貼っていました。「誰にでも聞いて回るってわけにはいかなかったんだ。『オレの友だちのだ』なんて平気でウソをついてくる奴らがいるからな」ポールはそう説明します。「実際、街にいる奴は誰も信用してないのさ。何より、オレがバッグを盗もうとしてると疑われるんじゃないか心配だった」

実際ハンドバッグの中には現金が入っていましたが、ポールは1セントも使う気にはならなかったといいます。むしろ、絶対に持ち主を探し出すということに集中していたそうです。「なんだか探偵になった気分で楽しかったよ」ポールは言います。

デイジーは、ポールの熱意と正直さに心底驚いたそうです。「文字通り丸2日かけて捜索活動を続けて、その結果見事私に直接バッグを返してくれたのよ。本当に信じられないわ」

Gofundme

ポールの親切な行動に感動したデイジーは、お返しにとGoFundMeというクラウドファンディングサイトを使って彼をサポートすることを思いつきます。寄付を集めてポールに眠る場所や冬用の服、温かい食べ物などをプレゼントしようと考えたのです。現在募金は3500ドル(40万円弱)ほど集まっており、今も続々と寄せられているそうです。

デイジーは、他人を信じるということを改めて学ぶ機会を与えてくれたポールに心から感謝しているそうです。募金がもっと集まれば、ポールは住む場所を手に入れられるかもしれません。

良い行いはいつか自分に返ってくるというポールの有言実行の成果ですね。