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静かに涙を流しながらバスに乗り込む男の子へのバス運転手の心温まる行動

軍隊を退役して間もなく、ジョン・ランスフォードはワシントン州のスクールバスの運転手になりました。朝と夕方、ケネウィック小学校の子供たちを送り迎えしています。

この地域は時として非常に厳しい冬を迎えることがあります。通常冬の気温は比較的穏やかですが、-18℃以下に冷え込み、湖や川が凍結し、積雪期間が3ヶ月に及ぶ年もあるのだとか。

flickr/Jason Kuffer

ある冬の日、この地域を寒波が襲いました。凍り付くような空気に包まれた朝、1人の男の子がスクールバスに乗り込んできました。ジョンはすぐにその子の様子がおかしいことに気付きます。男の子は目線を下に落として、声を殺して泣いていたのです。理由は寒さからでした。よく見ると男の子は手袋も帽子も持っていないようでした。ジョンはこのとき、すぐに自分の手袋を脱いで男の子の小さな手に被せてあげたそうです。

学校へ到着し、生徒たちを降ろして見送ったジョンは、そのままバスを走らせて近所の店を訪れました。そこで手袋と帽子を10セット購入し、学校へ引き返し事務所へと向かいました。職員の助けを借りて今朝バスに乗り込んできた男の子を探し出したジョンは、彼に手袋と帽子をプレゼントしたのです。

flickr/Diana Vucevic Follow

突然のプレゼントと温かい心遣いに驚いた男の子でしたが、大きな笑顔を見せてお返しにとジョンにハグをしてくれました。

ジョンはその後、校内アナウンスで、手袋と帽子を持ってきていないのであれば図書室に残りの手袋と帽子が9ペアあることを子供たちに伝えてバスへと戻っていきました。

その日男の子がどうして手袋や帽子を持っていなかったのかジョンは知りませんでしたが、そのことについて男の子に質問はしなかったそうです。「私にも孫がいるんだ」ジョンは言います。「子供たちが辛い思いをしているのなんて誰も見たくないに決まってるじゃないか」

facebook/Kennewick School District

ジョンはバスに乗ってくる子供たちが寒い思いをせずに済むよう、今では子供用の手袋と帽子を運転席の横に常備しているそうです。毎日安心して子供たちを預けられる、すてきな運転手さんですね。

心温まるエピソードでした。