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プーマがペルーのサーカスでの20年にわたる拘束から解放される

老いも若きも多くの人はサーカスが大好きです。宙を舞う空中ブランコ、華麗なジャグリング、楽しいピエロ・・・観客は現実世界から離れた不思議なステージに釘付けになります。もちろん動物たちも素晴らしい曲芸で観客を魅了します。

しかし動物保護活動家たちは、サーカスの動物たちが暮らすひどい環境を長年にわたり指摘してきました。サーカスのステージはほとんどの動物にとっては刺激が強すぎ、1日に何度も公演するので疲弊しています。つまり動物たちは非常にストレスの多い環境で生活しているのです。

DirkJan Ranzijn

ムファサと名付けられたプーマも、サーカスにいる他の多くの動物たちと似たような生活を余儀なくされていました。ペルーでは野生動物をサーカスの見世物として飼うことは違法とされていますが、ムファサはすでに20年もサーカスで暮らしていました。動物保護団体Animal Defendersが彼のことを知ったのは2015年4月、ムファサは未だに拘束されている最後の動物たちのうちの一頭でした。すぐに同団体は保護のために警察に出動を要請しました。警察は現場に到着すると、トラックの荷台の後方で首を太い鎖に繋がれたムファサを発見しました。

YouTube/ Animal Defenders International

ムファサはついに鎖から解放されました。

YouTube/ Animal Defenders International

動物保護団体は大きな輸送トラックにムファサを乗せ、移動を開始しました。

YouTube/ Animal Defenders International

トラックからケージ、そしてボートへ。自由の身になるまでにはまだ長い道のりです。

YouTube/ Animal Defenders International

アマゾン川も超えて・・・

YouTube/ Animal Defenders International

ようやくムファサと救助チームはアマゾンの森林地帯にあるタンボパタ自然保護区に到着しました。この新しい家にたどり着くまで3日もかかる長い旅路でした。

YouTube/ Animal Defenders International

ついにこの時がきました。ムファサは生まれて初めて本物の草を踏みしめ、大自然の空気を吸い込んだのです。拘束から解放された100頭以上の動物たちが、この自然保護区で暮らしています。

YouTube/ Animal Defenders International

ムファサの解放の瞬間を捉えたビデオはこちらです(英語のみ):

しかしこの物語には悲しい結末が待っていました。解放からわずか数ヶ月後の2015年12月、ムファサはこの世を去りました。長年にわたるサーカスでの生活で重い病気になっていたのです。それでもムスタファは、最期の日々で自由とはどんなものか感じることができました。もし捕われたままだったらもっと早く亡くなっていたかもしれません。ムファサの解放を最後に、ペルーのサーカスからは野生動物は姿を消しました。南アメリカの国々の中で先駆的な取り組みです。ペルーの取り組みが世界中に広がり、サーカスのために捕われた野生動物がいなくなるといいですね。