アマゾンで失踪した観光客、9日目に信じられない形で救助された

アマゾンの奥地で、まるで冒険物語のような体験をすることになった一人の男性がいます。チリ人のマイコール・コロセオ・アクーニャ(25)は、今年の2月、アマゾンの熱帯雨林ボリビアのマディディ国立公園で、現地のツアー会社「マックス・アドベンチャーズ」が主催するツアーに参加していました。しかし、ジャングルに入ってから一泊目の夜、ツアーグループがキャンプを張っていた場所からマイコールは突如として姿を消してしまったのです。

アマゾン探検の初日、ツアーの参加者の何人かは落ちつかない様子のマイコールを目撃していました。「彼は行動が少しおかしかった」ツアー会社の社長、フェイサル・ナヴァが証言しています。また、マイコールはその日、「パチャママ」と呼ばれる女神にジャングルへ入ることを感謝する伝統儀式に参加するのを拒否したそうです。

ボリビアの低地の熱帯雨林には、さまざまな力をもった精霊たちがいると信じられています。良い精霊もいれば悪い精霊もいて、その存在は現地の警察も認めているほどだそうです。フェイサルは、マイコールが儀式への参加を断ったことに対して「パチャママ」が腹を立て、彼に対して「ドゥエンデ」と呼ばれる悪霊を仕向け、マイコールを異次元へ連れ去っていってしまったのではないかと考えたそうです。

「ドゥエンデ」にさらわれてしまったマイコールを救助するべく、すぐさま捜索が開始されました。しかし数日たっても手がかりは見つからず、捜索グループは地元のシャーマンに助けを求めることに。依頼を受けたシャーマン夫婦のティブルチオとその妻は、それから一週間近く捜索グループと共にマイコールの行方を探し続けました。

そして捜索が始まってから6日目、マイコールの靴下が発見されます。シャーマン夫婦はその靴下を手がかりにマイコールの魂との対話を試みました。

手がかりが発見されたことから希望を胸に捜索は続けられ、ついに靴下の発見から3日後、失踪から9日目、川岸でマイコールが発見されたのです。キャンプサイトからわずか800メートルしか離れていない場所で発見されたマイコールは、全身を虫さされに覆われ脱水症状を起こしていたものの、命に別状はなく無事でした。

救出後にマイコールは、食べ物も飲み物も持たない人間が、9日間もジャングルの中で生き延びることができた理由を説明し始めます。それは驚くべき体験談でした。

失踪についてマイコール自身は、広大なジャングルに囲まれ、見知らぬ人たちとのツアーに参加し、自分の文化とは異質な儀式に参加したことから、何らかの良くないストレスを抱えていたことが原因だと考えているそうです。失踪した夜、彼は気持ちが落ちつかず、無性にグループから離れなくてはならない衝動に駆られたといいます。

「僕は走り出していた。サンダルを履いていたけど、これではスピードが落ちてしまうと思って脱ぎ捨てた。携帯電話も懐中電灯も捨ててしまった。初めて正気に戻ることができたのは、長い距離を走った後、木の下で立ち止まったときだった。『一体自分は何をしているんだ?』って思ったよ。来た道を戻ろうとしたけど、すでに遅すぎた」

直感と衝動に突き動かされて行動してしまったおかげで、彼はジャングルのど真ん中で食べ物も飲み物もない状態で迷子になってしまった、というわけです。

しかし、マイコールがパニックに続く果てしない絶望感に襲われていたそのとき、不思議なことか彼のまわりで起こり始めます。

突然、頭上から果物が落ちてきたのです。

驚いて見上げると、生い茂る木々の間から小さな目が彼を見下ろしていました。それはサルの目で、彼はサルの群れに囲まれていたといいます。どうしてサルが彼に向かって果物を投げつけたのかはわかりませんでしたが、サルたちはマイコールがその見知らぬ果物を頬張る間、彼のことをずっと見つめていたそうです。喉が渇いていたマイコールにとって、その果物はまさに天からの恵みでした。

食べ終わると、さらに同じ果物が空から降ってきました。

そのときマイコールは、サルたちが意識的に木の上から果物を落としていることを確信したといいます。それから数日間、サルたちはマイコールに果物を落とし分け与え、さらには水や身の隠せる場所へ導いてくれたというのです。

マイコール自身、今でも信じられないことがあるそうですが、このサルたちの助けがなければジャングルの中で脱水と栄養失調で命を落としていたことは確かです。

地元の捜索隊は、マイコールの意味不明の行動は悪霊が彼を狂わせたためで、救出はシャーマンのおかげだと信じていますが、マイコール自身は全く信じておらず、自分が救出されたのは彼を9日間介抱してくれたサルたちのおかげで、サルの家族に感謝してもしきれないと語っているそうです。

サルがジャングルで迷子になって人間を助けたというなんとも不思議な話ですが、とにもかくにも助かってなによりでした。

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