妊娠検査薬が18歳の少年の命を救った

この少年は何ヶ月もお腹の激痛に苦しんでいました。医師のもとを訪ねても原因は分からず、状態は悪化する一方。 しかしある考えられない物を使って原因を突き止めたのです。

英国に住む18歳のバイロンは期末テストを終えたあたりから、腹痛を感じるようになっていました。しかし医師からは筋肉痛の激しいものと言われてしまいます。

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しばらく様子を見ましたが痛みは悪化する一方。病院の検査で胃に腫瘍が見つかります。そして超音波検査で、胃の痛みの原因は筋肉痛などでは無くガンだということが判明しました。そしてガンは肺にも移転していました。しかしそれでもこのガンが一体どこから発生したのかはわからないまま。どんなタイプのガンなのか特定できないままでは効果的な治療を進めることはできません。

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検査を受けてもガンが特定できないことにバイロンは苛立ちます。ガンという恐ろしい病に侵されていることはわかっていながら、治療に踏み出せないもどかしさ。バイロンは説明を続ける医師に我慢ができなくなり病院を去りますが、意識を失って倒れてしまいます。「こんなことになるまでは、普通に85歳くらいまでは生きるものだと思っていた。でも突然命に限りがあることを突きつけられて、ずいぶん早いミッドライフ・クライシスみたいな感じになったんだ」バイロンは言います。

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その後バイロンは10代のガン患者専用の病院に移送されます。そこで医師はガンの種類を突き止めようとこの一風変わった検査を実施します。妊娠検査薬を使ったのです。そして結果は信じられないものでした。陽性だったのです。

もちろんバイロンが妊娠しているわけではありません。これは精巣ガンを突き止めるのに使用されるのです。精巣がん患者の体は、妊娠中の女性の体が作り出すのと同じホルモンを生成しているのだそうです。

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こうしてついにバイロンが苦しんできたガンの正体がわかったのです。ステージ4の精巣ガンでした。非常に進行が早いとされる精巣ガンはすでに肺だけでなく、胃にも広がっていました。一刻の猶予も許されない状態です。すぐに抗がん剤治療が開始され、胃と精巣の腫瘍が摘出されました。

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バイロンは強い運の持ち主でした。苦しい治療を続けること数ヶ月、なんとバイロンの体内からガンは消えたという検査結果が出たのです。「医師からもう大丈夫だと言われるのは変な気分だった」バイロンは言います。「きっともう普通の生活に戻れると思うし、元の生活に戻していかなくちゃと思うけど、人生に対する考え方そのものが大きく変わったんだ。人生はすごく有限なんだ」毎日を大切に生きるようになったという現在23歳になったバイロンは、精巣ガンについてもっと多くの人に知って欲しいと学校などでの講演活動に情熱を傾けています。

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バイロンにとって妊娠検査陽性という結果は、女性に対して意味するものとは大きく異なるものでした。でもこれがバイロンの命を救ったことは間違いありません。

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