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ジーンとくる話

彼女の犬は真夜中に警告を発した。息子のところへ駆けつけたとき、思わず背筋が凍った。

アメリカ・カリフォルニア州グレンダールに暮らすジェダイは、心優しい4歳のラブラドール犬です。彼は特殊な役目を持っています。それは毎日、7歳のルーク・ナットオールの命を見守り続けることです。

ある夜のこと。

突然起き上がったジェダイは、驚いた様子で周りを見回します。彼はすぐに側で深く眠っているルークが危険な状態であることに気付きました。

ルークの母親、ドリーは自分のベッドで眠っていましたが、そこに飛び乗ってきたジェダイに起こされます。異常を知らせる音は何もしなかったのでドリーは不思議に思いましたが、その時ルークは早急な助けを必要としていたのです。

ルークは1型糖尿病を患っています。体外からインスリンを補う治療が欠かせないため、夜も含めて一日10回ほど血糖値を確認しなければなりません。ジェダイに起こされたドリーが血糖値レベルを示すモニターを確認したところ、数値は正常値を示していました。しかし、落ち着かない様子のジェダイが気になったドリーは、息子の血糖値レベルを再確認してみることに。この2度目の計測でのルークの血糖値は、一気に危険レベルまで下がっていたのです。ジェダイの嗅覚は、血糖値をモニターする装置よりも素早く異常を感知していました。

ジェダイは子犬の頃から訓練を受けている「糖尿病アラート犬」です。ラブラドール犬の鋭い嗅覚は人の汗の匂いから血糖値の変化を機械よりも素早く感知することができるため、ジェダイは危険な状態なる前にドリーに異常を知らせることができるのです。

ルークの血糖値の異常を感知すると、ジェダイはさまざまな合図を出します。血糖値が上がりすぎたときは前足を振り、下がりすぎたときは床に頭を伏せます。このカラフルなバトンもドリーにルークの異常を伝えるツールの1つです。

ジェダイはすでに3年以上、ルークのことを見守り続けています。もちろんご褒美として、褒め言葉やお菓子、そして遊ぶ時間をたっぷりともらっています!

ルークとジェダイはFacebookページも持っています。ドリーは息子の日常生活を紹介するこのページを通して、少しでも1型糖尿病に対する理解が深まることを願っています。アメリカでは300万人以上の患者がいるとされている1型糖尿病、ジェダイのようなパートナーがいる人は多くはありません。

名前に負けず、強力な技能を持ったジェダイは、ルークと家族にとってはなくてはならない存在です。いつかルークの病気を完治してくれる有効な治療法が見つかり、危険信号のバトンもただのオモチャになる日が来ることを心から願っています。