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13歳の少女は集団レイプされた。その2年後、少女に起こったことに胸が張り裂けそうになる。

リンダ・トレヴァンは、巻き戻すことのできない時間を嘆き悲しんでいます。心に深い傷を負い、それが癒されることがないこともわかっています。

リンダは親として一番辛い、我が子の死を経験したのです。

Facebook/Linda Trevan

リンダの娘のカシディは、13歳の頃、通っていたメルボルンのウェリントン・セカンダリー・カレッジ(中学校)のクラスメートの少女たちからいじめを受けていました。「いじめは言葉で始まり、顔を殴らたことも1、2回ありました」リンダは説明します。

いじめはエスカレートしていきました。学校だけでなく電話のメッセージやSNS上でもいじめを受けるようになり、カシディはとうとう学校に通えなくなってしまいます。

しかし精神科でのセラピーを経て、カシディは自信を取りもどして学校に復帰。いじめの首謀者の少女たちはカシディに謝罪、友達としてやり直したいと言ってきたそうです。状況は好転したかように思えました。

Facebook/Cassidy Trevan

2014年2月15日カシディは、放課後に一緒に遊ぼうと少女達から誘われ、その内のひとりの自宅に向かいました。しかしその家に入ってすぐ、それが罠であったことが判明します。カシディはその自宅で待ち受けていた2人の少年に襲われたのです。

「彼らはカシディの知らない年上の少年たちでした。カシディを誘い出した2人の少女はそのとき、だた座って眺めていました。少年2人はカシディをレイプし、その時間まで計っていました。一人が娘を犯している間、もう一人がドアを抑えていたそうです」リンダは説明します。

娘が15歳の少年2人にレイプされたという事実に衝撃を受け、リンダはすぐに娘を連れて警察に行きました。その後、警察の性犯罪と児童虐待調査チームの刑事と2年間で20回以上面会を続けたものの、警察は「証拠不足のため強姦事件を棄却しなければならない」とし、結局、被害者供述調書は作成されず、警察が動くこともありませんでした。

学校での執拗ないじめはその後も続き、しかたなく母子は別の町へ引っ越し、カシディは新しい学校へと通い始めます。

Facebook/Cassidy Trevan

思うようにいかない現実と脳裏に焼き付いた事件時の映像は、まだ10代の少女の精神を確実に蝕んでいきました。カシディはうつ病、心的外傷後ストレス障害を発症し、食べることも眠ることもままならず、頻繁にパニック発作に襲われる苦しい毎日を過していました。新しい学校にはほとんど顔を出さず、家にこもりっきりの状態だったといいます。

リンダは娘のためにできる限りのことをしました。しかし母親の努力も空しく、引っ越してから1年半後の2015年の年末、15歳のカシディは自らの命を絶ちました。

娘の死から1年が経ち、ようやくリンダは娘の自殺について口を開くことを決断。娘の身に起こったこと、いじめがもたらした結果について綴った文章を、2017年1月にFacebookに投稿しました。加害者の少年らに、娘が死んだことを意識させたいという思いが込められています。

Facebook/Linda Trevan

「いじめが私の子供を殺した

この件について、これ以上沈黙を保つわけにはいかない。

ウェリントン・セカンダリー・カレッジの生徒たちが(それぞれ当時13歳と15歳の女子生徒と男子生徒)、私の娘カシディ・トレヴァンに対して、2014年2月15日、忌まわしい犯罪を犯した。

カシディは当時13歳だった。私はその後の2年間、出来る限りの手を尽くして彼女の命を繋ぎとめようとしたけど、娘は立ち直ることができなかった。引っ越した後も、人を恐れて学校にも通えず、買い物で近所に出かけるだけでパニック発作を起こしていた。

あれから22ヶ月間、私は苦しむ娘を見続けなければならなかった。娘は、あなたたちに見つけられて再びいじめられることを恐れていた。あなたたちの内の何人かは、娘をあんなに苦しませておきながら、その後もさらに電話やSNS、その他の方法で執拗に娘をいじめ続けた。娘は事件時のフラッシュバック、悪夢、不眠症、分離不安症、パニック、心的外傷後ストレス障害に苦しみ、精神状態は悪化の一途を辿っていった。

我が子が精神的にも身体的にも弱っていくのを、私は見なければならなかった。ついには、ベッドから出ることさえできなくなるまで。痛みと苦悩に耐えられなくなるまで。2015年12月12日の娘の自殺は、あなたたちのしたことが直接の原因だった。

私ははあなたたちが誰であるかを知っている。あなたたちもそのことを知っている。警察も知っている。これからの人生、自分のしたことが絶えずあなたの脳裏につきまとうことを願うわ。もしあなたたちが将来に恵まれて子供を持ったとき、あなたたちが私の娘にしたことを思い出して。そして他の誰かが同じことをあなたの子供にしたら自分どのような気持ちになるか、考えてみて。

カシディは私の全てだった。今でも、そしてこれからも。今の私には何もない。あの子なしで生きる理由をまだ探している。あなたたちは、あの子の命を奪っただけじゃない。16年間心と魂をつくして愛し、私の全てを注ぎ込んだ娘と私の将来も奪った。あの子が結婚する姿を見ることも、私が孫を持つこともない。ある意地悪な女の子の嫉妬によって始まった、馬鹿げた自己中心的な意地の悪い行為に賛同したあなたたちは、多くの命を破壊したの。これは遊びではなかった、楽しい一晩でなかった。あなたたちは娘の純粋さ、人への信頼、尊厳、人としての権利、普通の生活を営む力、そして最後には彼女の命を奪った。

私は決して意地悪な怒りっぽい、復讐心の強い人間ではない。でもあなたたちがしたことに対して言いたいことがある。あなたたちは決してキャシディ・トレバンという名前を忘れてはならない。そして生きる限り、あなたたちがその手には血が染まっている。

いじめが私の子供を殺した。いじめはしっかりと対処されるべきだということを、シェアしてください。

リンダ・トレヴァン」

Facebook/Coconut Wireless Australia

いじめは、取り返しのつかない結果をもたらします。いじめの問題を解決するには、当事者の関係だけでなくもっと根本的なところを見直さないといけないのかもしれません。リンダの言葉が一人でも多くの人に届き、子どもたちを取り巻く状況に変化を生み出すことを願います。