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びっくり

巡査は毎日、少女と挨拶を交わしていた。その子が姿を現さなかった日、彼女の自宅を尋ねた巡査は恐ろしい発見をする。

クリン・スケールズは9歳の頃、子供時代の中で一番つらい時期を過していました。クリンと2人の弟たちは、薬物中毒の母親からネグレクトされ、日常的に暴力を振るわれていました。食事も十分に与えられていなかったクリンは食べ物を求めて近所の店で万引きを繰り返していました。

子供たちをこの生活から救ったのは、地域のパトロール・ステーションに所属していた、ひとりの若い男性警察官でした。

Youtube/Bambus

クリンは、この男性警察官への恩を忘れたことはありません。彼の存在はクリンにとって大きな心の支えでした。

アメリカのニュースチャンネル、FOXニュースのインタビューでクリンは次のように語っています。

「つらい時期を乗り越えなければならなかったとき、私は彼に言われたことを思い出すようにしていました。『もし何かが必要なら、僕はここにいつもいる。必ず君を守る』子供時代の一番つらい時期、私はその言葉に支えられていました」

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ジェフ・コルヴィンは当時、クリンの家族が暮らす地域の警察のパトロール隊員で毎日クリンと挨拶を交わしていました。しかし当初、ジェフは少女の家庭の事情を知りませんでした。しかしある日、パトロール中にクリンが姿を現さなかったとき、ジェフ何かがおかしいことを直感したのだといいます。

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そしてジェフはクリンの身元に関する調査を始め、その日のうちに少女の自宅を訪れました。そこで見つけたのは、力なく床に横たわるクリンと、なす術もなく佇む弟たちの姿でした。大人の姿はなく、ジェフはそのまま病院へ子供たちを連れて行きました。クリンが倒れたのは、栄養失調が原因でした。

その後、子供たちは母親の元へ戻ることはなく、ミズーリー州を離れて新たな生活を始めました。

しかし結局、クリンは自分と弟たちを助けてくれた警察官の名前を知ることはありませんでした。そして大人になってからもあのとき彼にお礼ができていなかったことを、ずっと心残りに思っていました。

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ジェフの元に、元同僚のジェニファー・ジョーンズ巡査からのメールが届いたのは、つい最近のことです。メールには、ある女性が、20年程前にカンザスシティーのイースト・パトロール・ステーションに勤務していた警察官を探していると書かれていました。その女性は、幼い頃にネグレクトを受けていて、助けてくれた警察官を探しているのだと言います。ジェフは驚くとともに、その女性がクリンであることにすぐに気づきます。

何通かのメールの交換した後、クリンとジェフはカンザスシティーで20年ぶりの再会を果すことになります。

「この仕事を通して人を助けたことを実感する機会は、あまりありません。本当にこの職が自分に合っているのかを悩んだ時期もありました」ジェフはコメントしています。

クリンは、かつての恩人にやっと感謝の気持ちを伝えられたことを嬉しく思っているそうです。ジェフはクリンにとって彼女と弟たちを救ってくれた「ヒーロー」で、クリンはジェフに対する敬意の証として「ジェフ・コルヴィン巡査部長 – 真のヒーロー」と彫られたブレスレットをいつも身につけているそうです。

こちらは、クリンとジェフのストーリーを紹介するニュース番組の動画です。(英語音声のみ)

勤務地域のことを誰よりもよく知り、住民のことを気遣う警察官だからこそ、幼い少女の危機に気づくことができました。地道に私たちの生活を守っていてくれる警察官がいると思うと心強いですね。

プレビュー画像:©Youtube/Bambus