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フロントガラスのメッセージのおかげ: 違反を見逃してあげた警察官

規則を順守するか、状況に応じ自分が倫理的に正しいと思う行動をとるか、率先してルールを厳守しなければいけない立場にある警察官は、決断を迫られる時があります。

アメリカ、ウィスコンシン州ウォーソーの警察官ジム・ヘルルッドもそんな状況に直面した一人でした。担当地区のパーキングメーターの取り締まりパトロールに出た際、この二択を迫られました。

facebook/Jim Hellrood

パーキングメーターのチケットが数時間前に切れている車を見つけたジムは、車の所有者に罰金を請求するため違反チケットを切りました。すると手書きのメモがフロントガラスのワイパーに挟まれていることに気づいたのです。

twitter/Rebecca Cardenas

「どうか寛大な対応をお願いします。安全のため、徒歩で帰宅することになりました」

どうやら運転手はお酒を飲んだため安全な運転ができないと判断し、事故の危険を冒して飲酒運転するよりは駐禁チケットを取られても車を置いていくことを選んだようでした。

「飲むなら乗るな」が基本の飲酒運転厳禁の日本ではごく当たり前の選択ですが、ウィスコンシン州では、飲酒運転として処罰の対処になるのは血中アルコール濃度が0.08以上であり、少量の飲酒であれば運転は認められています。しかし一人当たりのアルコール消費量だけでなく、アルコールを飲む人の割合、さらには酔っ払い事故件数、飲酒運転検挙数など全米トップクラスである同州では、この運転手のような正しい判断をすることができず、泥酔したまま運転してしまうケースも残念ながら多いのです。

facebook/Rechtsanwälte Karaahmetoglu & Kollegen

しばらく考えたジムはある決断をします。駐禁チケット発券機を再び手に取ると、罰金チケットを切る代わりに運転手に警告チケットを発行したのでした。

「情状を酌量します。警告に留める」とチケットには記載されています。

飲酒運転に対する受け止め方が日本に比べ比較的緩い地域ならではのエピソードですが、この運転手もルールを曲げて自分の事情を汲んでくれたジムに感謝したことでしょう。