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抗議活動が激化するなか、米軍基地ゲート3前にたった1人で立つ沖縄県民。メディアが報じない活動家たちについて考えさせられる。

沖縄県のうるま市で5月19日に20歳女性が遺体で見つかった痛ましい事件は、メディアでも大きく報じられました。逮捕されたのは、米軍属、元海兵隊員の男でした。これに伴い、アメリカ軍に対する批判の声も上がり、沖縄県アメリカ軍キャンプ前では連日抗議活動が行なわれています。容疑者の勤務地であった嘉手納基地でも、沖縄県警が出動するほど抗議活動は過激化。この事件は、多くの日本人の怒りの矛先となりました。

Twitter/thaithai6969

そんな中、5月28日、29日にうるま市で炎天下の路上でアメリカ人が路上でプラカードを持ちながら頭を下げている写真がツイッター上で注目を集めました。首から下げたプラカードには、「沖縄と共に悲しんでいます」「沖縄のためにお祈りしています」の言葉。

Twitter/kyoushu1251

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この行動は、沖縄県北中城村(きたなかぐすくそん)にある教会「ネイバーフッドチャーチ沖縄」のクリスチャン・シアンコ牧師が呼びかけたものです。県民と共感する思いを訴えたいと、信徒にSNSで聞きつけた米軍人・軍属も加わり、100人以上が参加しました。国道58号線沿いに列なって立ち、車が来るたびに無言で頭を下げます。

Twitter/hajiuson_0118

今の時期、沖縄は炎天下30℃を超える気温です。なかには子どもたちの姿も…。

Twitter/Bbcbuta

Twitter/Bbcbuta

頭を下げる文化を持たないアメリカ人の人々が被害者への哀悼の意を示すために無言で「お辞儀」をする姿に、「涙が出そうになった」「胸が詰まる」とコメントしている投稿者もいます。一部のアメリカ人の凶行に対して、良識ある多くのアメリカの人々も同様に心を痛めていることを訴える姿に、多くが心を動かされました。

しかし28日、29日と行なわれていたこの活動は、一部のメディアをのぞいて全国的に大きく取り上げられることはありませんでした。週末から週明けにかけ、実際の沖縄県ではこのような活動が盛んに行われているのにも関わらず全く報道されていない、とメディアの判断に対する批判の声もあがっています。またツイッターでは、沖縄県内における反基地は少数派であり、民意ではないということを沖縄より発信する人々も増えています。

そんなうるま市には、また、アメリカ人の心を動かした日本人男性もいました。沖縄在住のアメリカ人、ブライオン・ラヴェルさんは、先週23日、1人の日本人男性に出会いました。嘉手納基地ゲート1前で反基地の抗議活動が行なわれるなか、すこし離れたゲート3前でラウドスピーカーを持ち1人でたたずむ男性が持つパネルには、「Thank you U.S. Military I love American (米軍ありがとう、アイ・ラブ・アメリカン)」と書かれていました。

この男性には、本当に心を打たれる。ゲート1で抗議活動が行なわれるなか、彼はゲート3前でラウドスピーカーを使って感謝の言葉を述べ続けている。前回の抗議のときにも、彼はここにいた。彼の行動に敬意を示してもらいたい。僕は車から降りて彼と握手を交わした。とても謙虚な人だった。

こちらは20日に目撃された同じ男性です。この日も反基地の抗議活動にあわせて同じ場所に立っていました。

路上に出た米日のコミュニティーや、抗議活動がある度にゲート3前に立っているという男性も含め、沖縄県内にはさまざまな人々がいます。報道の役割が今の現状を伝えることだとすれば、センセーショナルな情報のみが増幅されるような手法ではなく、このような人々の活動も報道すべきではないでしょうか。ときどき目に耳にする、まるで「アメリカ人」が悪いような印象を受けなくもない報道には、何ともやるせない気持ちになります。テレビなどでニュースを見る側の私たちも、情報の捉え方を今一度考える必要があるのかもしれません。新聞やテレビだからといって、それが真実、それが全てとは限らないからです。

報道のあり方、また同時に、SNSの影響力について改めて考えさせられました。

あなたは何を思いましたか?シェアをして友達の意見もぜひ聞いてみてください。