【死の床で妻と交わした約束】路上生活者のため無償で焼いたパンを配る老人。笑顔で活動を続ける理由を知って涙が溢れた。

東京・池袋駅では毎週、路上生活者に手作りのパンを配る活動をしている人たちがいます。その活動を行っているのは豊島区にある「池袋あさやけベーカリー」。 普通のパン屋さんとは違い、このお店は週に1回しか開店しません。

そして手作りのパンを作る人たちも、普通のパン屋さんとは少し違っています。あさやけベーカリーで働く人は皆、路上生活を経験した人たちなのです。

ホームレス生活からは脱することができたものの、心の病気などを抱えている人も多く、元路上生活者の人が社会復帰は難しいのが現状。「あさやけベーカリー」はそんな彼らの居場所となっています。一般の支援団体からの援助とは違い、元ホームレスの人たちが丹精込めて手作りで焼いたパンということもあり、池袋駅周辺の路上生活者の方たちからも大変好評とのことです。

そもそも店主の山田和夫さん(69)がこの「パン屋」を始めたのには理由があります。以前は会社員として働いていた山田さんの妻・和子さんは、自宅でパン屋を経営するパン研究家でした。しかし2009年に和子さんはすい臓がんの診断を受け、その後闘病の後帰らぬ人となりました。そんな和子さんは自宅療養中、亡くなるおよそ2-3週間前に和夫さんにあるお願いをしました。それは…

「パンを焼いてホームレスの団体に寄付して下さい」という言葉。和子さんは生前、ホームレスの人たちのためにパンを無料で配る活動を始めていたのです。「自分の体調が悪くなり、パンを配ることができなくなっていたことが気にかかったのだろう」と和夫さんはのちに自身の著書の中で振り返っています。そして和子さんは和夫さんに一枚のパンのレシピを残していきました。そして和子さんが亡くなってから半年が経った頃、和夫さんはパンを焼きはじめたのです。

はじめはたった1人でパンを焼いて、路上生活者に配る活動をしていた和夫さん。1年ほど経ったころ、そんな彼の活動を知り、元ホームレスの人たちが少しづつ集まるようになりました。あさやけベーカリーのメンバーはみなホームレスとして生活をしていた経験があるため、困っている人たちを助けたいという思いからこの活動に参加する人が多いとのこと。そしてこの「あさやけベーカリー」に参加する人たちは、ただパンを焼きに来るのではなく、ここで仲間と過ごす時間を楽しみにしている方も多いそうです。

妻の遺言を体現した和夫さん、そんな和夫さんの姿に惹かれて活動に参加する元ホームレスの人たち。優しさが優しさを呼ぶ思いやりの輪はこれからもきっと大きな広がりを見せていくことでしょう。池袋あさやけベーカリーの活動を支援したいという方はこちらからホームページをご覧頂けます。

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