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ジーンとくる話

建設現場に捨てられていたネコを4匹保護した。数年後、こんなことになるなんて誰も予想していなかった。

福井県越前市にある曹洞宗の修行道場「御誕生寺(ごたんじょうじ)」をご存知ですか? 多くの猫がいることから「ねこでら」の愛称で知られ、猫好きの人では知らない人はいないと言われるほど有名です。これまでも度々テレビや雑誌で紹介されてきました。

ご覧のとおり、境内は猫だらけです。人懐っこい猫が多く、参拝客の目などおかまいなしに境内を歩きまわりながら自由気ままに暮らしています。

しかしどうして御誕生寺には、こんなに猫が沢山いるのでしょうか?

御誕生寺の現在の本堂が完成したのは2009年のこと。その建立工事中に、段ボール箱に入れられた4匹の子猫が境内に捨てられていたのをお寺に保護したのがきっかけでした。

御誕生寺の住職、板橋興宗さんが猫好きで、餌をやり続けているうちに猫が居ついてしまったそうです。その後も噂を聞きつけて猫を捨てに来る人などが後を絶たず、面倒を見ているうちに猫はどんどん増えていきました。多いときにはなんと80匹の猫がいたそうです。

猫たちの世話は、お寺の修行僧が修行の一環としてやるようになりましたが、野良猫や捨て猫を保護するには、餌代や治療費がかかります。その問題を解決するため、御誕生寺はSNSを駆使して全国の猫ファンからの協力を募るようになりました。

このアイディアが功を奏し、募金が集まり、全国各地、そして海外からも猫を目当てに多くの人が訪れるようになりました。現在Facebookのフォロワーは、12000人以上もいます。また、参拝者が増えたと同時に、猫を引き取りたいという申し出も増えたため、お寺では里親の募集も始めました。

現在、御誕生寺では随時「譲渡会」が開催されています。これまで270匹を超える猫が御誕生寺から巣立っていき、おかげで猫の数も今は30匹前後に落ちついたそうです。譲渡会では、保健所で殺処分される直前の猫を引き取り、新しい飼い主の元へ送り出す活動も行なっています。

お寺で保護されている全ての猫には、名まえつきの首輪がつけられています。全ての猫に名前をつけるのは、人々により親しみを感じてもらうため。こうすることで、新しい家族も見つかりやすくなるのだそうです。 

「ねこでら」として有名になった御誕生寺ですが、実はいつかお寺から猫がいなくなればというのが本当の思いだそうです。安易にペットを買ってしまう無責任な飼い主が減り、そして捨てられてしまう猫、殺処分されてしまう動物の数が減ることを願っています。今や観光客であふれているお寺ですが、猫が好きな皆さんにこそ、考えてもらいたい問題があるようです。

人気の餌やりの時間の動画をご覧下さい:

猫好きにはたまらない、癒しパラダイスですね。最近では「人と猫とを結ぶ場所」という事から縁結びの願いを込めて、若いカップルの参拝も増えてきたそうです。福井県に旅行の際には、猫たち、そして人の温かさに触れに御誕生寺を訪れてみてはいかがでしょうか?

御誕生寺の活動や里親募集に関する情報については、Facebookページブログをご覧ください。1匹でも多くの猫が新しい家族を見つけられるよう、御誕生寺をみんなで応援しましょう!