魚の皮膚を傷口に貼る新しい火傷治療法が患者を救う

マリア・イネス・カンディド・ダ・シルヴァは、ブラジル北部の町ルサス在住のウエイトレスです。 ある日マリアは勤務先で爆発事故に巻き込まれました。ガスボンベが爆発し、その衝撃で床に叩きつけられてしまったマリアは、間もなく駆けつけた救急隊により病院に搬送されます。

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マリアは腕と首、顔に重度の火傷を負っていました。深刻な火傷の損傷状態が明らかになると、痛みは一層激しさを増すように感じられました。これからの人生を火傷の跡と共に生きていくのかと、絶望に打ちひしがれました。

しかし、病院側が提案したある治療法がマリアを救います。

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通常なら皮膚が剥がれた部分から感染症などを引き起こすため消毒を続けて皮膚の再生を待ちますが、医療チームはこれまでに人間に臨床治療されたことのない全く新しい治療方法を提案したのです。

火傷部分に魚の鱗を貼り、表皮の再生を促すというものです。

医療チームは、病気に強い抵抗力を持つことで知られるブラジルの河川に生息する淡水魚テラピアの鱗を治療に用いることにしました。

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医療用として使用するため、ティラピアの皮膚は消毒洗浄され20cm四方に切り分けられます。その後2年間もの間冷凍処置されたものが、火傷損傷部分に約10日間、湿布されます。

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マリアが受けた魚鱗治療は、研究室の実験結果により効果は証明されていたものの、広域的な治癒力の有無に関してはまだ結果が出ていない状態でした。

マリアの火傷損傷は深刻な症状であったため、魚鱗湿布は事前に予測された以上に身体の広域にわたり処置されました。自分がこの新療法の実験台になることを承諾したものの、マリアにとってそれは、爆発事故のトラウマと同様に恐怖そのものでした。

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施術後、魚鱗に覆われた自身の姿を見たマリアはまるで自分がSF映画の登場人物になったかのような気分だったと語っています。

約3週間後、医療チームにより魚鱗湿布は取り除かれました。ワセリンを使い、一枚一枚注意深く剥がされた湿布の下から現れた治療結果に、居合わせた誰もが目を見張りました。

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20日間にわたる魚鱗治療は、マリアの皮膚を柔らかで潤いのあるものへと修復しており、熱傷治療に有効であることが証明されました。ティラピアの皮膚を用いた治療では、複雑な治療をすることなく治療スピードが速まり通常の治療とりも、治癒日数が数日間短縮できたといいます。

良好に回復することができたことへの安堵と喜びにマリアは包まれました。

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回復後、マリアは自らこの治療法のスポークスパーソンとなり、出来る限りの支援に関わっています。

「治療効果に大変満足しています。私のように火傷に苦しむ方にこの治療法をお勧めします」

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通常の火傷治療に比べ、魚鱗治療にかかる費用ははるかに定額です。自然の力を代用する驚くべき「代替」療法が、新たな治療法として確率される日もそう遠くはないかもしれません。

こちらは、マリアが受けた魚鱗療法を紹介したビデオです。

現在、マリアは火傷跡を気にすることなく生活をしています。彼女が遭遇した事故は悲惨なものでしたが、その影響により終生苦難の道を歩く恐れはもうありません。それもこの奇妙で素晴らしい治療方法のおかげです。

無名の科学者によって開始され、長年地道に研究を重ねられた魚の皮膚の治療法が「自然回帰」に可能性を見出した医師によって日の目を見ることができました。魚の皮膚を貼るだけで火傷の治療ができてしまうなんて驚きですね。この技術は現在もまだ臨床試験段階ですが、ブラジルではすでに数十人の患者がティラピアの皮膚を用いた治療を受けているそうです。今後、新たな熱傷治療の開発に期待が膨らみます。

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