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1850年、農場主が隠れ扉を発見。彼が中で見つけたものが世界を驚かせた。

1850年、イギリスのオークニー諸島メインランド島西岸のスケイル湾でスコットランド人の農場主が驚くべき発見をします。冬の嵐が去った後に損害を調べに外に出た際、彼は海岸近くに石の積まれた細い通路があるのに気付きました。その中にあったものが、当時、世界を驚かせました。

Orkney Islands [GB], 2004, Skara Brae.

それは、石造集落遺跡でした。嵐で草や土が剥がされ輪郭が露出されるまで、何千年もの間、地中に眠っていたのです。

Skara Brae

現在スカラ・ブレイとして知られいる集落跡は約5000年前の新石器時代のもので、エジプトのピラミッドより古い時代のものです。保存状態が比較的良好で、世界的の新石器時代遺跡の中でも特に貴重な存在となっています。

Wikipedia

紀元前3100年から紀元前2500年頃の間、約600年に渡って人が住んでいたことが分かっており、イギリスにおける定住跡としては最古のものです。10の密集家屋群からなり、研究者は50人から100人くらいの人間が住んでいたのではないかと推測しています。

Reconstruction

それぞれの建物はトンネルで繋がれ、また石のドアで閉めることもでき、内側からのみ鍵ができるようになっています。

Skara Brae

炉、ベッド、衣装棚、食器棚など多くの石造りの家具があり、各戸には棚、椅子、収納箱や衣裳棚がありました。収納箱の一部は水が溜められるようになっており、鮮魚を食用に保存していたのではないかと思われています。

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また、驚くべきことに、それぞれの家にはトイレがあり、排水のシステムが集落の設計に組み込まれていたようです。

Bed at Skara Brae

スカラ・ブレイの家々は、どれも調度品が似たようなもので、誰か一人が治めていたような跡がないといいます。人が住まなくなった理由は、気候の変動などが考えられています。

Skara Brae

当時のヒトの暮らしぶりを垣間見ることができる、貴重な遺跡です。

Wikipedia

この遺跡は、1999年に他のメインランド島の遺跡群とともに「オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地」の名で、ユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。イギリスに旅行する事があったら、ちょっと足を伸ばして5000年の時を感じてみるのもいいかもしれませんね。