発展途上国の子供たちのために、発電機を作った。しかし、それはボコボコに蹴り倒された。なぜ?

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経済の発展には、教育が不可欠です。しかし発展途上国の子供たちには、私たちが当たり前のように享受している恩恵を受けられないケースもあります。特に深刻な問題となるのが、電気です。勉学に励もうにも、夜に明かりを灯すことが出来なければ、読み書きすることはできません。十分に電気のインフラが整っていない地域の子供たちは、灯油ランプや薪ストーブを灯りにして勉強するほかなく、それは一説によると、1日に何十本もタバコを吸うのと同じくらい甚大な健康被害をもたらします。

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発電の設備を整えようにも、コスト面や環境面の問題で、なかなか実現に至っていません。発展途上国の子供たちに、どうにかして勉強できる環境を与えてあげることが出来ないだろうか。その難題に取り組んだのが、ジェシカ・O・マシューズでした。ことの始まりは、2008年まで遡ります。

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当時ハーバード大学で学んでいたジェシカさんは、学校のプロジェクトでクラスメイトのジュリア・シルバーマンと共同で発電できるサッカーボールを発想します。このプロジェクトを通し、ジェシカは「遊び」という分野は、社会問題を解決するという点においてはまだ未踏の分野であると気づいたのです。2011年、ジェシカはハーバード大学の仲間とともに会社Uncharted Play (未知の遊び)を設立すると、この発電できるサッカーボール『Soccket』の本格的な開発に乗り出しました。

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それから2年の時を経て、ついに商品化にこぎつけたこのボール。一体どのように子供たちを助けることができるのでしょうか。

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実はボールの中に振り子式の発電装置と蓄電装置が備わっており、ボールを転がす、つまりサッカーをプレイするだけで、ボールの中に電気が蓄えられるのです。ボールにはソケットが付いており、そこにLEDを接続すれば、約30分サッカーをプレイした分の電気で、3時間も光を灯すことができるのです。サッカーを一試合するだけで、3日分の光が生み出されます。まさに『蹴られまくる発電機』というわけです。2012年には、700個ものボールが配布され、多くの発展途上国の子供達の生活向上につながったと報告されています。

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驚くべきことは、これだけではありませんでした。あるナイジェリアのコミュニティでは、子供たちがLEDを廃棄物と入れ替えたそうです。それにより何が起こったかと言うと、ランプの色が変わったのです。そう、子供たちは自分向けに『Soccket』をカスタマイズしていたのです!ジェシカはまったく意図せずして、子供たちの興味をテクノロジーに向けることにも成功しました。

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このプロジェクトに、多くの著名人からの賞賛も集まりました。クリントン元大統領は『Soccket』について、「誰も考えたことのないアイデアだ、素晴らしいね!」と述べており、オバマ元大統領は、2013年タンザニアにて実際に『Soccket』を使用し、「『Soccket』はアフリカで最も人気のあるスポーツを電力源へ変えることができるんだ。きっと世界中に普及するだろう。」と述べました。

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このように、『Soccket』のプロジェクトは一定の成功を収めたとはいえ、やはり発展途上国の電力問題は世間からまだ注目されていないのが現状です。私たちも、常に世界に目を向け、自分たちが出来ることがないかを考えるべきなのかもしれません。多くの人々を救うアイデアは、意外とすぐ近くに落ちているかもしれないのですから。

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ジェシカのUncharted Play社は、現在Uncharted Powerに名称を変え、ニューヨークで全く未知の電力源を常に模索し続けています。興味を持った方は、ウェブサイトをチェックして、応援してみてもいいかもしれません。
Uncharted Powerのウェブサイトはこちら

出典

WIRED

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