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【世界を変えたい】カメラに向かって手話をする母とダウン症の女の子。その切ない理由を知って言葉を失った。

みなさんは「カープール・カラオケ」という言葉を耳にした事がありますか?世界的にも有名な司会者ジェームズ・コーデンがアメリカのテレビ番組で始めた企画で、ジャスティン・ビーバーやオバマ前大統領夫人など世界中のセレブをゲストに迎え、車内でカラオケをするというものです。

YouTube上には素人が番組を真似て車内で歌を唄う動画が沢山投稿されていますが、先週公開されたある「カープール・カラオケ」の動画が今、世界のネットユーザーの間で話題になっています。

YouTube/Wouldn’t Change a Thing

それは世界ダウン症の日に向けて、英国のダウン症支援グループ「Designer Genes (デザイナー・ジーンズ)」に所属する50組のお母さんと子供たちが手話で「カープール・カラオケ」を真似する動画です。

YouTube/Wouldn’t Change a Thing

おかあさんと一緒に歌手クリスティーナ・ペリーのヒット曲「A Thousand Years」に合わせて手話で歌う子どもたちの笑顔を見ると、こちらも自然と笑顔になります。しかし実はこの動画にはある切実な思いが込められていたのです…。

Wouldn’t Change a Thing

動画を通して親子が世界に知らせたいこと。それは「英国では出生前診断でダウン症と診断された場合の中絶の割合が90%」だという事実。もちろん産まない選択をした親を他人が責めることは出来ません。でも彼らが伝えたいのは、ダウン症をもって生まれてきたこの子たちも他の子たちと同じ様に喜びを感じ、幸せな生活を送ることができるということ。そしてそんな子供達と暮らす毎日が幸せに満ち溢れているということです。

YouTube/Wouldn’t Change a Thing

厚生労働省研究所が2015年日本ダウン症協会の協会員5025世帯に行ったアンケート調査によると、「毎日幸せに思うことが多いか」との質問に対し「はい」と答えた人の割合が71%、「ほとんどそう」と答えた人が20%とダウン症を持つ人の「幸福度」が90%を超えるとの結果が得られたそうです。

これは海外で過去に行われた研究結果ともほぼ一致しており、ダウン症でもそれは「幸福の追求」の妨げにはならないということがハッキリと証明されています。

ちなみに動画の中で母親と子供たちが使っているのは「マカトン」と呼ばれる特別な手話で、会話のできない聴覚障害を持つ人と知的障害を持つ人を対象に開発されたコミュニケーション方法です。発祥の地である英国では、マカトン法は国中の養護学校で使われているそう。

そして現在、50組の親子の動画はYouTube上で視聴回数が2600万回を超え4万件以上のいいねがついています。そして動画には世界中の多くの人から「感動した」「ダウン症の息子と一緒に見て、泣いた」などのコメントが寄せられており、前述の「カープール・カラオケ」を始めた司会者のジェームズ・コーデンや楽曲を提供することで活動を応援する歌手のクリスティーナ・ペリーもTwitter上で「世界一素敵なカープール・カラオケ!」「胸がいっぱいです!」とツイートしています。

出産前診断は優生学的観点から、生命倫理に深く関わる問題があるとする意見が存在します。かといって検査をして産まない選択をした人を事情を全く知らない赤の他人が非難する事は言語道断です。たった5分間の動画ですが、命の重みについて深く考えさせられます。YouTubeの動画を見るには下の再生ボタンをクリックしてください。